つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

楽しんだ奨学金団体の年忘れパーティー

 毎年、同じことを書いていますが、今年も残り少なくなり、歳月の速さを実感しています。11月末からバンコクに行って、帰ってきていろいろ雑務をこなし、送られてきた本などを読んでいるとあっという間に師走の10日、あと3週間で年明けの時期となりました。このあと、週2回のペースで忘年会があり、さらに毎月ルーティンの原稿をこなしたり、年賀状を書いたりすると、すぐに年末になってしまうのでしょうね。ああ、これで何の進歩も成績も上げられないまま、間もなくまた歳を一つ余計に取ってしまうのかと思うか、じくじたる思いがあります。
 ところで、昨日は、小生の友人が理事長をしている財団法人の年忘れパーティーがあったので、千葉まで行ってきました。この財団は、友人の父親が起業した企業の株を処分し、それを元手に留学生への奨学金支給を始めたものです。ただ単に定期的に奨学金を手渡すだけでなく、この財団の特長は、必ず月一回奨学生全員を本部に集め、懇親させること。さらに、年数回、花見、千葉県内一泊旅行、広島原爆記念日式典見学、海水浴、年忘れパーティーなどさまざまな機会を作って奨学生を集め、仲間意識を持たせることを主眼にしています。
 日本に集う留学生たちが交流を通じて外国人同士の友情をはぐくんでほしい、同時に日本と日本人の良さを実感してほしいというのは、昨年他界された友人の父親である前理事長の強い思いで、友人はこの遺志を引き継いでいます。昨日の年忘れパーティーにも、奨学生や同財団経営の留学生会館にいる会館生、さらには奨学生OBらが集まり飲食を共にして歓談、その上で出身国の情緒を漂わせるダンスや歌のパフォーマンスもありました。奨学生らの楽しさにつられて、小生も思わず、ダンスの輪に加わり、楽しいひと時を過ごしました。
 複数の国の留学生たちが、家族的な雰囲気のもと仲間意識を醸成するというこの財団の方針は小生も100%支持しており、微力ながらお手伝いをしています。その一つが、毎年2,3月ごろ、次年度の奨学生を選抜する判定員をすること。まず、友人から送られる10数人分の個人データや小論文をチェック、その後に面接を通して最終的に7人程度を選抜するのですが、最終選考に残り面接に来る留学生はみな素晴らしい人ばかりなのでいつも迷ってしまいます。でも、小生が最後に選抜の判定材料にしているのは、この学生は協調性があるか、家族的な集団活動をすることを欲しているか、という点。今まで、どれだけ期待に応えられたか分かりませんが、友人からは「いい人を選んでくれた」と感謝されますので、まずまずの貢献だったかと自負しています。
 なお、年末パーティーを「年忘れパーティー」とし、「クリスマス・パーティー」などの言い方をしないのは、多分、マレーシアやインドネシアなどのイスラム国留学生への配慮があるからだとみられます。大勢の場では、宗教と政治は論議しないというのがこの団体の方針でもあるのです。まあ、国を超えて友情をはぐくむというのは、そうした配慮も必要なのかも知れません。
 下の写真は、年忘れパーティーで、新疆ウイグル自治区出身の女子留学生が民族の踊りを披露、他の留学生が加わったときのもの。確かに、中国の一部となっている新疆ウイグルの学生たちは、他の中国人と政治の話を語りにくいでしょう。