つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

悲しきかな、独裁政権システム

 それにしても、しみじみ面白いなと思うのは、民の選挙で選ばれない指導体制にあるところ、つまり独裁国家は概して好戦的であり、絶えず対外的に戦争、戦争と騒ぎ立てる嫌いがあることです。サダム・フセインカダフィーなど過去に枚挙にいとまはありませんが、最近では北朝鮮と中国。特に、北朝鮮の御曹司が、軍部の盛り立てを受けたためか、米韓相手に一戦交えるという勢いで、盛んに脅しの文句を連ねていました。
 滑稽だったのは、ある軍人がテレビに登場して、「われわれの指はすでにミサイル発射のボタンの上に置かれている」などと、究極の脅しをしていました。ですが、あれから2週間以上たっているけど、これまでミサイル発射などはありません。あえて皮肉を言わせていただければ、発射ボタンの上に置かれた軍人さんの指はどうなってしまったのでしょうか。
 あの刈り上げスタイルのおぼっちゃまだって、米韓に向けてミサイルを発射すれば、どうなるかぐらいは分かるはずです。米国は、過去に戦争参加したときのケースを見るといつもそうですが、相手に先に軍事行動を取らせ、反撃するという形にします。第一次世界大戦では、米人が多く乗った英国の商船がドイツのUボートによって撃沈され、多数が死傷したことが理由、第二次大戦では、言わずとも知れた真珠湾攻撃を受けたからです。
 ブッシュジュニア政権時代の、アフガニスタンイラク侵攻も、イスラム原理主義者による2001年の9・11同時多発テロが理由になりました。つまり、米国という国は、多民族でまとまりがないので、彼らが旗印にする「自由」「民主」というものに攻撃を仕掛けてきたという客観的な状況を作って、国民の団結心を高めていく手法を取るのです。もし、北朝鮮が米国に向けて明らかに比較的長距離のミサイルを発射したとなれば、米国は当然黙っていないでしょう。過去と同様の対応を取るはずです。
 中国も尖閣諸島問題では、解放軍幹部が「戦争に備えよ」と言い、好戦的な環球時報などは「日本との一戦は避けられない」とまで書きました。中国もどうも戦争、戦争と騒ぎ立てるのが好きなようで、世界をリードする13億人国家にはふさわしくない、品性に欠ける発言が多いように見受けられます。少なくとも軍人の頭の構造は北朝鮮と大して変わりません。
 察するに、独裁国家って、結局、政権の正当性(レジティマシー)がない、つまり民の信任を得ない政権なので、対外的に強気な姿勢を見せ、政権の力を国内的にアピールせざるを得ないのです。やはり、独裁政権とは、悲しむべきシステムです。
 下の写真は、新潟県村上市の朝市の光景。何かふかしたいものようなものを売っていましたが、不明。残念ながら、試しに食べる気は起こりませんでした。