つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

今回の栄誉賞に政治的な臭い

 先週土曜日、東京ドームで長嶋茂雄松井秀喜両氏の国民栄誉賞の授賞イベントが行われました。その席上、安倍首相が巨人のユニフォームを着て現れたこと自体、不快でしたが、片腕の長嶋をバッターボックスに立たせ、つまらぬ空振りをさせる演出にさらに不快感が募りました。長島のあのはつらつとしたプレーを覚えている世代からすると、やるせない思いでいっぱいになりました。
 それにしても、安倍首相はなぜ巨人のユニフォーム姿になったのか。安倍氏の選挙区は下関です。同市はもともと大洋漁業のふるさとですから、その昔、大洋が準フランチャイズ球場としていました。であるならば、安倍氏は当然、大洋の後身である横浜DeNAのユニフォームを着るべきです。巨人にすり寄ったって、何かプラスになるとは思えません。
 長嶋、松井のご両人は確かに巨人に所属していましたが、国民栄誉賞と巨人と直接の関係はないはず。松井に関しては、むしろヤンキースワールドシリーズでMVPを獲ったことが高く評価されたのですから、無理やり巨人に結びつけなくてもいいのではありませんか。それなのに、巨人、巨人と巨人が前面に出て、うっとうしい限りです。さらに、当日、「巨人イベント」のさしみのつまにされ、挙げ句に試合に負けた広島カープは本当にかわいそう。
 東京ドームイベントの翌日、長嶋、松井の晩さん会が首相官邸で開かれました。その席に、驚いたことに読売新聞の御大が陪席していましたが、彼はいったいどういう資格での参加なのだろうかと思いました。と見てくると、なぜか今回の国民栄誉賞、政治的な臭いがプンプンしてきます。ある新聞によると、御大が安倍首相に2人の栄誉賞を進言したとのこと。あのロートルならば、さもありなんという感じです。
 でも、もしそうだとしたら、これって恥ずかしいことじゃありませんか。読売新聞、巨人の宣伝のために、国民栄誉賞を利用したことになるからです。進言する方もする方ですが、受ける方も受ける方。小生は安倍首相を高く評価していますが、今回の一件についてはちょっとがっかりしました。読売の御大は、もういい加減に政治の裏舞台でつまらぬ狂言回しなど止めてほしいといいたいですね。
 下の写真は、村上市内の神社境内で見かけた寒椿の大木。