つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

安倍交代へ政局の潮目が変わったのか

 昨日、小泉元首相がぶら下がりインタビューを受け、今の政局について言及、「今秋の自民党総裁選で、安倍首相の3選は難しい」と言ってました。かつて自分の子飼いのようにして育て、後継首相にまで指名した安倍氏に対し、随分ストレートに”残酷に”言うなーという印象ですが、彼独特の嗅覚が働いたのかも知れません。明らかに、政局の潮目が変わり、政権交代の可能性が出てきたように感じます。
 そもそもモリ・カケ問題は、安倍首相のボタンの掛け違いから始まったと思います。首相は昨年国会で、「私たち夫婦がこの問題に介入したことはない。こんなことがあると分かったら、首相どころか議員も辞める」と豪語しました。小生は当時、何もそこまで言う必要はないのではと感じていました。でも彼は、安倍一強という驕りから、嘘をついてもつき通せるとでも思ったのでしょう。
 このブログで再三主張しているように、首相は権力者であるのだから、いわゆる「首相裁量」「トップ判断」という決定があってもいいように小生は思います。それは、裏に汚い多額の賄賂の金のやり取りがない限りにおいて。モリ・カケ学校建設でも、最初から「私がトップとして必要性を感じ、関係部局に指示した」「私の政策的な判断であり、誰がなんと言おうと首相にいる限り推進する」ぐらいの強気の姿勢があっても良かったのではないか。
 権力者は政策実現に向けて圧倒的な力があるのですから、確固たる信念をもって迷うことなく、言葉を尽くして国民に説明し、推進すればいいのです。かつて郵政民営化という”持論”を振りかざし、これを断固推進した小泉元首相のように。野党が「首相の独断でいいのか」などと言って来たら、「私はこれが正しいと思っている。野党が反対なら、総選挙で国民の声を聴いてみますか」と居直ればいいのです。
 それなのに、安倍首相はモリ・カケの学校建設は自分とは関係ない、公的な必要性から出たみたいに言うから、野党に揚げ足を取られてしまうのです。安倍首相の最初の居直り発言を糊塗するために、官僚が次々に虚偽発言、文書改ざんなどの悪行を働く事態となりました。その過程で夜回り取材の女性記者に対し財務省事務次官がセクハラ発言をしていたことも発覚。昨今の首相周辺を見ると、状況が日々悪くなっています。
 安倍支持だったマスコミの読売や産経まで批判的になりました。小泉氏が指摘するように政局の潮目が変わっているのかも知れません。ここまで混乱すると、もう安倍氏が支持率を盛り返す可能性は限りなく低い。となると安倍氏への求心力が衰え、今夏から初秋にかけて政権交代の流れが醸成されそう。今夏、政治記者が注目するのは、もうモリ・カケでなく、次の総裁候補はだれかという点ではないでしょうか。

 上の写真は、富山湾に架かる大橋と係留されている帆船「海王丸」。同船は海の貴婦人の異名を持つそうな。