つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

やはり建前があっていい

 大阪市橋下徹市長がふたたび吠え始めました。慰安婦の必要性を説き、米軍司令官に対し、「もっと風俗業を利用したらどうか」とのたまわったとか。かの男、前から豪快な男という印象を持っていて嫌いではありませんでしたが、でもあまりにも本音を言いいすぎるのもいかがなものかと思います。特に、日本社会では、「本音はこうなんだけど、言ってはならないことがある。建前上はこう言うべきだ」というスタンスが必要なのではありませんか。
 韓国から戦地に慰安婦を強制連行したことについて、日本軍部が直接関与した証拠はないというのが今の安倍首相らの立場です。証拠がないというのは確かにその通りでしょう。でも、「いい働き口があるよ」と言って連れてきて、慰安婦にさせたという例はあったと思います。それは、多分、日本政府や軍が関与したものではなく、いわゆる軍属、軍出入りの業者がやったことでしょうが、当該女性は外国まで連行されたら、もう是非もなく、ほとんどはその境遇を受け入れざるを得なかったと思います。
 確かに、自らの意思で売春婦になった人もいるでしょうし、軍出入り業者の仕事であれば、政府や軍が直接関与していないとも言えるでしょう。しかし、いささかでも軍出入り業者が、軍の威光をバックにそれなりのだましの手口を使い、半ば強制的にやったケースがあったとしたら、それはそれで問題であり、非難されても仕方のないことです。
 当時は必要性があったからとか、今の韓国はじめどこの国だって軍周辺に売春婦がいるではないかなどの理由で、この問題に対処するのはいかがかなものかと小生は思います。本当は、本音ベースではそういう反論もできましょうが、そこは外交関係や女性一般に配慮して建前ベースの主張をすべきでしょうね。少なくとも、「どこにでもあるから、当然だ」とばかりに開き直ることではないはずです。
 沖縄問題に関する橋下市長の言について、小生も本音ベースで言えば賛成です。沖縄で民間の女性が性犯罪の犠牲になるなら、もっと風俗を活用させたらどうかと思います。若い男の性の衝動というのは抑え切れません。人間が動物たるゆえんです。そうであれば、本音ベースではそういうプロフェッショナル女性への方向に誘導していくべきでしょうね。小生は、本人の自由意思に基づくのなら、女性がその身体を報酬の対象にすることに反対ではありません。
 ただ、そういうことは公然と記者会見で言うことではありません。本音ベースのことはあくまでうちうちでやることであって、本音議論ばかりが公然化すると、限りなくすさんだ世の中になってしまう恐れがあります。ですから、橋下市長のように「建前など言うな。本音がこうなんだから、俺がそれを主張して何が悪い」と開き直られると、鼻白むばかりです。
 下の写真は、先週末、小生が関係する奨学金団体のセッティングで中国人、韓国人留学生らと一緒に行った千葉・銚子の犬吠埼灯台