つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

対抗馬立てないのは民主主義の否定だ

 大阪市で、橋下徹市長が出直し市長選に打って出ました。これは、一種の「大阪都」構想の是非を問うための住民投票と言っていいのかも知れません。しかし、自民党など主要各党はこれを無視し、対抗馬を立てませんでした。これって、ある意味、民主主義の否定ではありませんか。
 きょう朝のテレビ・ワイドショーを見ていると、インタビューを受けた選挙民からは「6億円を使って、無駄な選挙だ」という声も出ていました。一般的に言えば、任期4年の途中で選挙をするのは無駄なことかも。ですが、橋下氏は、既存の地方自治制度を変えるべく革命的な構想を示し、その実現を図っているのです。したがって、大局的に見て、無駄かどうかは本質的な問題ではありません。
 橋下徹氏の最初の市長選挙では、大阪都構想が圧倒的な支持を受けました。ところが、慰安婦問題発言などで橋下人気が若干下火になると、それまで橋下支持だった公明党がにわかに翻意、橋下構想に冷淡になり、実現が危うくなりました。であれば、選挙民にもう一度、その是非を問い、再度多くの賛成を確認して大阪都構想に向けて邁進したいと思うのは自然なことだと思うのです。
 小泉純一郎元首相が郵政民営化法案に関して、衆院を通過したものの、参院で否決されると、透かさす衆院を解散して国民に是非を問いました。あの時も、考えようによっては暴挙でしたが、しかし、選挙民は納得してこの再戦を歓迎し、あまつさえ圧倒的多数で小泉郵政民営化を支持しました。
 橋下市長にとって大阪都構想は政治家としての最大達成目標であり、譲れないものです。したがって、彼が小泉さん同様にワンイッシューで出直し市長選をするのは理解できます。それなのに、他の政党が肩すかしを食らわせ、「無駄な選挙」という形で世論、マスメディア誘導するのは許せません。もし大阪都に反対なら、対抗馬を立てて正々堂々反対論をぶてばいいのです。それが民主主義ではありませんか。
 小生は、自民党の機関紙に定期的にコラムを書いているので、本来は以上のようなことをコラムに書きたいのですが、機関紙の編集部は自民党の方針に立てつくような内容の文章掲載を許してくれるはずもなく、仕方なく自らのブログで訴えます。
 選挙の結果が出て、橋下市長が再選されました。残念ながら、ワイドショーを見ていると、この大阪都構想が信任されたということより、投票率が24%で過去最低だったこととか、白票が多かったことを殊更に取り上げています。レベルが低すぎます。主要政党が参加していないのだから、投票率が下がるのは当たり前。それより、大阪都構想が再度支持されたことを強調すべきでしょう。
 下の写真は、先般首都高速を走っていてスカイツリーと満月近い月が見えたので、走行中助手席から撮った一枚。きちんとカメラを据え、露出を開放にして撮ったらいい写真がものにできたと思います。