つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

エジプトの今の事態は予想できた

 エジプト情勢は泥沼化してしまいました。前にもこのブログで書いたのですが、民主的に選出されたモルシー大統領の政権を軍部がしゃしゃり出てぶち壊し、大統領を拘束するなどというのは、民主主義国家にあらざるべき異常事態です。軍部による事実上のクーデターで情勢はさらに悪化するだろうと、小生は早くから予想していました。しかも、モルシー前大統領はムスリム同胞団をバックにつけているので、容易に和解などできないでしょう。
 それはともかく、小生は、もともと世俗主義の強いエジプトで、なぜイスラム原理主義者が多いムスリム同胞団出身の大統領が選出されたのか非常に疑問に思っていました。で、さまざまな報道を見てみると、モルシー大統領派とムスリム同胞団が大統領選挙で不正を働き、意図的にモルシー氏の票を多くするよう画策したというのがどうも真相のようです。
 発展途上国では往々にしてありえること。たぶん、同胞団の連中が選挙管理の職員に紛れ込み、集票センターに運ぶ途中に投票箱をすり替えたのかも知れません。日本でも昔、奄美大島で検票中、突然集票センターの灯りが消え、自らに都合のいい票を紛れ込ませたという事件がありました。フィリピン大統領選でもかつて不正のうわさがあり、外国から選挙監視団が派遣されたことがありました。
 発展途上国では、きっちり選挙を行うというのは結構たいへんなことなんですね。「後進国には民主主義は根付かない」という説がありますが、この根拠は選挙が機能しないことを言っているのかも知れません。しかも、大統領選挙となると、支持者は予算配分でいい目を見るか、真逆の立場になるかの瀬戸際ですから、不正選挙をしても支持候補を勝たせたいと思うのはごく自然です。ですから、まさに生きるか死ぬかの戦いがそこにあるのです。
 ただ、今回たとえ不正があったにしても、エジプト国民は一年間、モルシ―大統領の存在を認めてきたのですから、少なくとも任期中はその地位を保全すべきです。景気が良くならないなどの理由で、大衆運動によって政権を倒すなどということがあってはなりません。軍部もモルシ―氏が気に食わなかったため、安易に反モルシ―のデモに乗じてしまったのですが、今の混乱を見ると、「介入を控えた方がよかったかも」と思っているに違いありません。
 いずれにしても、ムスリム同胞団にはイスラム原理主義過激派が多数入っており、当分、事態の鎮静化はないでしょう。また、軍部が力で抑えに出れば、彼らは地下にもぐり、今度はゲリラ的な行動、テロを起こす恐れがあります。中東全体に影響力を持つエジプトだけに、混乱が長引けば、原油の値段などに影響を与えかねません。エジプトの混乱は日本国にとっても困りものです。
 下の写真は、中国南寧市のコスプレイベント会場の一コマ。男性にもコスプレ好きのやつがいて、しかもこうした軍人の格好が結構好きなようです。それにしても、真夏の南寧で暑苦しいこと極まりない。