つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

個人情報の秘匿はそれほど大事か

 通信教育関係企業であるベネッセコーポレーションから、子供の個人情報が漏えいするという事件がありました。個人情報の秘匿性が厳しく言われている昨今、この種の情報が漏れるのは大企業にとっては管理責任上問題があると言えましょう。しかし、この個人情報と言っても子供の家の情報にすぎず、せいぜい家にダイレクトメールが送られてくる程度で、金銭的な実害はないと思います。ですから、それほど大騒ぎする必要があるのかなと小生など思ってしまいます。
 小生のスマホのメルアドなどほとんど公開しているつもりがないのに、ある時いやらし(ピンク)系のメールが送られてきました。多分、どこかの申し込みか何かの際に記載したものが、他に流れたものと推察できます。つまり、犯人は誰かは分かりませんが、情報横流しの実態は厳然とあるようです。
 いやらし系のメールはしばしば送られてくるので、うっとうしいのですが、でも所詮すぐに消せば済む話です。消す手間だけの問題で、実害はありません。自宅の郵便受けに入れられるちらしと同じ類もので、処分すればいいだけです。ちらしを入れる企業も商店も必至で顧客探しをしているのであって、彼らの気持ちを考えれば、許容できないこともないです。
 ある人から聞いた話では、結構卒業、在籍している学校や在籍、関係している会社、組織の名簿を名簿管理会社に渡しているケースがあるそうです。これらの情報はさまざまなところに流れ、投資の誘いとか物販の案内とかに利用されるのでしょう。ベネッセの個人情報を漏らした犯人も恐らくそれほど強い加害意識があったとは思えません。物販に利用される程度だからと安易に考えて流したものと見られます。それにしても、この種の情報が結構高い値段で取引されているのには驚かされました。
 昔は個人情報についてこんなに厳しい管理があったという記憶はありません。いつごろからこんな厳しくなったのでしょうか。4、50年前、学校の名簿などは自宅や電話番号があって、それを公開するのが当たり前でした。もし、何かトラブルが発生したときに親同士も含めて互いに連絡を取り合うのに非常に便利でしたから。情報公開によって実害を受けたということはなかったように思います。
 個人情報ばかりでなく、残念ながら、今ではプライバシー尊重の上から、都会などでは特に同じ集合住宅に住んでいる人でも互いに干渉しません。小生もマンションの住民ですが、隣人ですらいったい何をしている人か、何かあったときの緊急の連絡先などは一切承知していません。気が楽と言えばそうなのですが、半面、怖いところもあります。
 農山村、過疎地などでは、恐らく地区住民の個人情報など隅から隅まで知れ渡っているでしょう。でも、異常な干渉とかプライバシーの侵害などとは言わないですね。むしろ積極的に情報を示し、相互扶助の一助にしている面もあります。ですから、個人情報の秘匿を金科玉条のごとくに言い、これに異を唱える人は犯罪者のように見るのはおかしいのではないかと小生は思っています。もちろん、個人情報を金で売るというのは論外ですが、、。

 上の写真は、秋田県男鹿半島の先端、入道埼の灯台。今年5月この地を再訪したのですが、前回は学生時代のことで、なんと40年ぶりくらい。たたずまいは変わっていませんでした。