つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

銀座のクラブとSMバーの違いは何か

 2人の女性閣僚が公職選挙法などの疑いをかけられ、辞職を余儀なくされました。就任後1か月くらいでは、まだ省内事情や関係案件を勉強している最中であり、自らの采配などとても振るえない時期ですから、本人たちも心残り大でしょう。でも、「うちわ」はともかく、小渕優子経済産業大臣の場合、有権者に観劇招待や物品の提供などをしていたのですから、申し開きはできません。
 中選挙区時代に父親がやっていたことを地元の秘書たちがそのまま娘議員に引き継いでいたようですが、公選法が変わっても、彼らは何の意識変化、注意もしなかったのでしょうか。こんな前時代的な有権者サービスが残っていたこと自体驚きですが、小渕議員本人が本当にこうした事情をご存知なかったようで、なおびっくりでした。皮肉な言い方をすれば、東京育ちなので、あまり群馬の田舎には帰っていなかったのかも知れません。
 それにしても、小渕大臣の後任になった宮沢洋一議員もお粗末でした。政治資金収支報告書にSMバーの領収書とは恐れ入ります。彼は大蔵省出身で財務諸表を見るのは得意なはずなのに、秘書の作った報告書類には目を通していなかったようです。記者は議員の揚げ足取りに鵜の目鷹の目ですから、「こんなのよう調べんやろ」と思ったら、大間違いです。政治部はともかく、社会部記者をなめたらいけません。
 ただ、テレビのワイドショーでもやっていましたが、交際費の項目が「銀座のクラブだったらOKないのに、なぜSMバーだと問題になるのか」という指摘は確かにその通りで、区分けが難しいです。民主党政権時代の文部大臣の収支報告には、ゲイバーかニューハーフパブの領収書があったとか。誰かを接待する場合、奇抜なところを選びたいと思うのは自然な心理です。
 ゲイとかSMとか、確かに週刊誌、ワイドショー的には面白い話題だと思いますが、国会で議員を追及するようなネタではありませんね。こんなことで野党が攻めるとしたら、「では、銀座のクラブとSMバーの違いは何か」とか、「どこで線引きするのか」といった新たな問題が生じてきてしまいます。ばかな泥仕合になるだけです。もし、SMバーを駄目とするなら、すべての飲食店の領収書を認めるべきでないでしょう。

 上の写真は、幕張メッセで開かれた農業見本市での植物工場の展示。葉物野菜が見事でした。近い将来、露地ものよりこうした植物工場の野菜が多く出回るものと思われます。