つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

小池の勝利、見栄え、反権力、女性…。

 東京都知事選は、小池百合子女史の勝利で終わりました。まあ、多くの事前調査でも彼女の優勢は出ていましたし、小生もこのブログで書きましたが、「圧倒的な無党派層は小池を支持する」という予測が当たってしまいました。メディアがさまざまに彼女の勝因を分析しているので、小生の分析などそれこそ後出しじゃんけんの感は免れませんが、それでも一応書いておきます。
 その一、見栄え。石原慎太郎鳥越俊太郎が「厚化粧の候補者」と揶揄したけど、正直言って彼女は根美人なので、64歳の割には容色が衰えていない。本来、厚化粧という言葉は、素材の悪い老婆がそれを隠すためにやるものと言った感じですが、小池氏に限ってはその批判は当たっていません。また、彼女はそういった揶揄に対し「きょうは薄化粧にしました」と軽く躱していたのがいい。これには多くが好感したのでは。
 反対に、鳥越氏はナルシスト然として自らのカッコよさに酔っていたと思うけど、やはり長期間メディアにさらされることで、76歳という高齢を視聴者に植えつけてしまった。発言の中にはとんちんかんなものもあって、ネットなどでは「痴呆症も疑われる」と書かれていましたが、事実そうなんでしょう。増田寛也氏は残念ながら、背格好や首の短さ(これは本質的な問題じゃないけど)などで見栄えが悪く、好印象は持たれなかったと思います。
 その二、反権力。東京の選挙はやはり政府・自民党既得権益と対立するという構図を持った人が選ばれやすいということです。鈴木俊一氏の最後の選挙は、元NHKのキャスター磯村某を自民推薦の候補者に立てた小沢一郎(当時自民党の独裁者)に対する反発、青島幸男氏が当選したのも、既得権益と結びついた都市博覧会への反発でした。
 石原慎太郎氏も出馬当時、自民党衆院議員を辞めており、ある意味反自民でした。猪瀬氏は石原氏の後継で、どちらかと言えば、既得権益を壊そうとする反権力的立場。舛添氏も出馬当時は自民党を離党しており、むしろ既得権益政治を批判していた。判官びいきという言葉があるけど、東京都の選挙は特にそういう傾向が見られますね。
 小生は、自民・公明が結集すれば、それなりの力を発揮すると書きましたが、都知事選の歴史をよくよく考えると、これは見誤っており、保守の結集力はそれほどでもないということを再認識しました。反権力、反既得権益の票が小池氏に集中したようで、これにはいわゆる保守も革新もないのです。
 その三は、女性候補者であること。これも大きな要因だったと思います。ニュースを見れば、米国大統領選のクリントン民主党候補、メイ英首相、メルケル独首相、蔡英文台湾総統、パリ市長、ローマ市長と女性のトップが続出しています。日本国首相はまだまだ無理でしょうから、せめて首都の顔として女性を推し立てたいという有権者は多かったと思います。
 その四、先出し、後出しは関係ない。石原氏がかつて後出して出馬で当選しましたが、これは彼独特の個性によるもの。その他の候補者には関係ないようです。むしろ、今回見られたように、きちんと政策を掲げ、早くから強い意思と覚悟を見せる候補者の方が良いということが分かりました。
 野党各党は鳥越氏を後出しで登場させ、強烈なイメージアップを図ろうとしたのでしょうが、いかんせんタマが最悪でした。統一候補なら、宇都宮健児氏の方がむしろ良かった、より得票していたと思います。

 上の写真は、我が家の愛犬マオ。もともと美男子だったのですが、14歳を超えて容色は衰えています。厚化粧はしていませんけど…。