つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

65歳以上就労者42%は少なすぎ

 ちょっと旧聞ですが、このほど発表され総務省の統計、内閣府の調査報告にはこれまた驚かされました。内閣府によれば、15歳から39歳までの年代でいわゆる引きこもり、自宅にじっといて外に出ない人が54万1000人ほどいるそうです。その半面、65歳以上の高齢者就業人口は総数に対し41・9%とのこと。若くても働かない人、高齢でも働き続ける人と人生さまざまです。
 小生自身は子供がいないし、近くの親戚を見渡しても、本来は就労年齢であるのに外に出ない、働かないというケースは見られません。もし、自分の子供であったら、随分悩んでしまうだろうと思います。少なくとも働いている限り、生きることに執着しているわけですから、正規、非正規職場にかかわらず子供が働いているのであれば、親も安心してあの世に行けるでしょう。でも、そうでなかったら、この子供は今後どうして生きていくのかと相当悩むことになると思います。
 そもそもどうして引きこもりなどの子供が増えるのか。小生のつたない分析では、これは、家庭では子供一人ひとりに部屋を与えていて、親子、兄弟間で話し合う、折衝する機会を奪っているためだと思うし、学校では、仲間同士のけんか、教師の体罰禁止の上に、へんな平等主義が蔓延し、競争心を奪っているからだと思います。
 早い話が、過剰な保護がひ弱な子供を生み出す原因だと感じています。これは子供のいない人間の勝手な分析ですから、いかようにも甘んじて批判を受けますが、小生自身は親や先生に殴られた経験、友達同士で殴り合いのけんかをしたことが、今考えれば生きる力を得る上で決してマイナスになっていないと確信しています。
 65歳以上の就業者比率42%、これは悪いことでなく、大いに結構なことではないでしょうか。小生もいまだに非常勤の教職に従事し、アルバイト原稿を書き、そのほか海外進出のビジネスにも多少首を突っ込んでいます。もし、毎日時間に縛られることなく、テレビや本を見たり、散歩したり、囲碁・将棋・麻雀ばかりの娯楽だったら、さぞ退屈するだろうなと想像します。
 第一、65歳から年金以外一切無収入となり、年金の補充のため蓄えから持ち出し続けたとしたら、この先順調にやっていけるのか。死ぬ年齢は分からないので、一応85歳エンドとします。それでも65歳から20年もあるのですから、かなりの時間です。蓄えの額にもよるでしょうが、子供や孫への援助を考えれば(小生は関係ないけど)、一般的にかなり厳しい生活を強いられるのではないかと思えます。
 であれば、65歳以上の就業は仕方ないどころか、むしろ当然ととらえるべきでしょう。実感からしても、65歳以上になって極端に知能や体力が衰えたとも感じないし(小生の場合は病気をして一時期体力減を招きましたが、、)、働く意欲が減退しているとも思えません。小生から見れば、「就労者42%程度? えー、じゃー残りの58%は毎日何しているんだ」とむしろそんな疑問さえ投げかけたくなります。
 とにかく何でもいいから、少なくとも後期高齢になるまでは働くことが必要ではないでしょうか。体を動かすこと、多少なりとも頭を働かせること、そして幾分かのストレスがあること、これって結構免疫力の向上につながると思うのです。


 上の写真は、京都・嵐山付近の桂川。台風一過のあとでかなり増水していました。