つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

真央ちゃんの引退報道はちょっと異常

 フィギアスケートの浅田真央選手が引退するということでマスメディアは大騒ぎになっています。テレビの定時ニュースではトップニュースだし、ワイドショーでは大型企画で取り上げ、引退会見もライブでした。硬派でなる日経新聞でも連日、社会面のトップ記事になっているのは驚き以外の何物でもありません。ちょっと異常な社会現象。改めて、浅田選手というのはそんなに大物だったのかとしみじみ考えてしまいます。
 確かにかわいらしく、26歳という現在のお歳の割には汚れなき妖精のような印象のある女性です。その辺が彼女の魅力なのでしょう。でも、選手としてはどれだけわれわれが期待した成績を残してくれたのか。10代で世界選手権に優勝していますが、オリンピックでは芳しくない。前々回は、ライバルであった韓国選手との一騎打ちに敗れ、前回ソチ五輪でも最初のショートで大きく出遅れ、われわれを残念がらせました。
 五輪後に休養を取ったので、そのまま引退かなと思っていたのですが、なぜか復活しました。でも、女子フィギア界には次々に新星が現れており、真央ちゃんはもう過去の人と言った感じ。メディアの扱いも小さくなっていったようです。それが今回の引退表明では、なんだかとてつもない選手が引退したという感じに変わってしまいました。これはどういう風の吹き回しなのか。
 浅田選手がこれほどの扱いを受けるなら、レスリングでオリンピック4連覇の伊調馨選手や100連勝以上している吉田沙保里選手の国民栄誉賞コンビが引退表明したら、どれほど大きな扱いになるのかなと、余計なことを考えてしまいます。単純に現役時代の成績を見れば、この2人のほうがはるかに勝っていますから。
 でもこれって単純に比較できないんですね。浅田真央ちゃんがお茶の間に残した印象はレスリングの2選手以上だったし、こう言っては何ですか、これは美人度、チャーミング度、好感度によるところが大だったと思います。近い将来、引退時に真央ちゃん並みに大きな扱いを受けるスポーツ選手は、女性ではちょっと考えられません。男性を含めても、匹敵するのは恐らく野球のイチロー選手くらいでしょう。
 浅田選手の今回の引退報道を見てしみじみ思うのは、やはりスポーツ選手は成績よりも印象なんだなという点。長嶋茂雄王貞治張本勲に比べて選手時の成績は若干劣るものの、印象度は2人を超えていて、いまだに球界ナンバーワンのプレイヤーと言われています。でも、何をもってより印象度は高められるのか判然としません。これは人柄なども加味されるということでしょうが、難しいテーマです。


 上の写真は、4月第一週に撮影した桜満開の上野公園の風景。