つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

西野大明神、奇跡を起こし続けて

 いやー、驚きました。まさかWCサッカーの初戦で、日本が南米の強豪コロンビアを破るとは夢にも思いませんでした。それは小生だけの予想でなく、日本人の大方の見方だったと思います。何しろ、直前の練習対外マッチで負け続けており、監督が代わっても選手が一緒じゃそう変わらないなというのがわれわれの率直な感想でした。しかも、予選グループはいずれも日本より格上の国々ばかりですから、開幕前は何か冷めた感じがあったと思います。それが飛んでもない番狂わせで、一気に盛り上がりました。
 こう言っては何ですが、WCの出場選手を選ぶとき、西野朗監督はなんで、すでに2度も3度もWCに出場したようなロートル選手ばかりを選ぶのだろうと呆れていました。主将の長谷部はともかく、まさか香川、岡崎、本田の選出はないよな、井手口とか浅野とか久保とか、もっと伸び盛りの生きのいい若手を使ったらいいのにと思っていました。ところが、本番で香川は最初にきっちりPKを決めたし、後半出てきた本田もコーナーキックで大迫の見事なヘッディングシュートをアシストしました。
 これだけ活躍されては、”ロートル”なんてとは絶対に言えません。やはり経験豊富な”ベテラン”にはベテランの味があり、シチュエーションによってその妙味を引き出すことは可能なのだと思いました。それを西野監督は分かっていたのでしょう。彼はまた、試合後のインタビューで、勝利に興奮せず、意外にも冷静に話していたのでびっくり。本人はこの勝利をある程度予想していたのかも知れません。すごい男です。
 西野監督と言えば、1996年アトランタ五輪でこれも南米の強豪ブラジルを1―0で破ったことがありました。評論家の解説では、この人は戦力、戦術分析に長けているところがあると言われており、何か奇跡を起こせる可能性を秘めている人なのかも知れません。今回の”奇跡”を見るにつけ、西野氏の采配には素直に頭を下げるしかありません。小生も、手のひら返しの誉め言葉になってしまい、恐縮です。
 ただ、問題は第2戦のセネガルです。ポーランドを破ったセネガルが一番強そうですので、次のゲームが最大の関門。日本のサッカーは選手全員が攻守双方に参加するため、ピッチを隅々まで走り回ることが必要です。長友なんて31歳なのに10キロ以上走ったとか。であれば、コロンビア戦を全力で走り切った選手は疲れているでしょうから、たった4日間のインターバルでの疲労回復は無理ではないかと心配になります。
 そこで提案。コロンビア戦に出た選手はなるべく下げて、新鮮な戦力で戦ったらいいのではないかと思います。監督は得てして、勝利を呼んだ選手や布陣を崩したがらないものですが、この際、疲れの残りやすいベテラン選手は下げ、大胆に取っ換えたらいいと思います。まあ、奇跡を起こす西野監督ですから、セネガル戦でも事前の十分な分析があり、ポイントゲッターのFWマネを徹底マークする秘策を考えているでしょう。
 何だかコロンビア戦で勝利したので、西野監督への評価はウナギ昇りとなり、「西野大明神」となってしまいました。それはそれで結構、このままセネガルポーランドも打ち破り、決勝トーナメントに駒を進めてほしい。アトランタ五輪で初戦ブラジルを破った日本チームは一次リーグ敗退で終わりましたが、今回は、マイナス思考は止めにしましょう。ぜひ、2勝1分けくらいの成績でグループ突破の奇跡を起こしてほしい。

 上の写真は、鴨川シーワールドのペンギン。