つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

今は、結婚の形態を必要としない時代

 厚生労働省のデータによると、日本では男性4人のうち1人は50歳前に結婚しておらず、女性も7人に1人の割で一生結婚しない状態だというのです。そう言えば、小生の周りにも男女を問わず結婚歴のない人がうようよいるし、バツイチまで合わせると、なんだか結婚している方が少数派のように見えてきます。この現象は異常なのかどうか。
 女性に結婚意識が薄くなったのは分かります。1980年代に男女雇用機会均等法が成立し、女性が社会進出しました。小生がいたマスメディアの業界も、かつては男ばかりの野暮ったい世界でしたが、今では女性が多くなりました。テレビ局などは特に映像を意識し、美人記者を揃えている感じもします。
 かつて女性にとっては、結婚が「永久就職」でした。「あなたの生活上の世話をします、子供を産んで面倒も見ますから、一生あなたの収入で養ってください」という暗黙の了解のもとに多くの女性は結婚していたと思います。ところが、女性の職場が確保され、働けるようになってから、こうした結婚による生活担保は必要なくなりました。
 自分で稼ぎ、好きなように生活ができるのでしたら、何もいやいや、妥協して結婚する必要はありません。本当に「この人と一緒にいたい」と思う人とだけ結婚するでしょう。となれば、対象者はかなり絞られてしまいます。極端に言えば、自らに生活能力があれば、家庭を作ることにこだわる必要はない。結婚という形を取らず、男性(既婚者も含めて)と付き合うことも十分可能なのですから。
 また、女性は子供を産むことに拘泥しないと決めたなら、結婚、非婚への選択権がかなり広がります。フランスみたいに結婚しなくとも子供を産みやすいところもありますが、日本では女性の自由選択権がもろに男性側に影響を与えるでしょう。魅力もない、金もない、生活能力もない、優しさもない男はつま弾きにされるでしょうね。小生も昨今の時代に生きていたら、その一人になっていたかと思います。
 一方、男性側からしても、かつてのように毎日ご飯を作ってもらう、洗濯してもらうなどのために結婚するという状況もなくなりました。外で安いご飯が食べられるチェーン店はいっぱいあるし、洗濯もコインランドリーがあります。性的欲望を満たしてくれる場所もなくもない。ですから、結婚に追い込まれるところまではいかないのです。
 今の時代、都会では独り身でも十分生きていける環境なんですね。であれば、結婚なんていう面倒くさいことはしたくないものです。経験者から言えば、あえて結婚しないデメリットはと問われれば、何か感情や感動を表すときに相手がいないとつまらない、病気したときにそばにだれもいないのは寂しい―というところでしょうか。
 でもこれらの不自由さを補うためには、結婚なんていう形態を取らず、同居人でもいいし、互いに必要になったときだけ会う人でもいいわけです。そう考えると、非婚、拒否婚男性4人に1人、女性7人に1人という数字はむべなるかなと思います。残念ながら、日本は少子化が避けられない状況にあるようです。


 上の写真は、鹿児島市内にある薩摩剣法・示現流の道場外観と砂場になっている道場。