つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

地方政治家にも醜聞探しがある怖さ

 前回、山尾志桜里議員の話をしたので、今回も恐縮ですが、引き続き男女関係に絡む政治家の”スキャンダル”関係の話。週刊新潮が今年8月に取り上げたちょっと古い記事ですが、奈良県天理市並河健(38)という若手の市長が公務で東京に出張した際、2度にわたってホテルにディリバリー女性を呼んだことがあったというのです。
 並河市長はこの件で週刊誌記者から問われると、素直に事実を認め、「道徳的にいささかの問題があったかも知れないが、自分の金で払ったので…」と述べ、辞職する考えのないことを強調しました。その後、現地でどういう進展を見せているのかは定かではありませんが、市長は依然その座にとどまっているようです。
 最初に小生の感想を言わせていただければ、ホテルにディリバリー嬢を呼ぶことはちょっと品性に欠けることですが、支払っている金が公金でなく、自腹であるなら、そんな問題ではないのではないか。まして、市長は38歳とまだ若い。東京出張で忙しい日中から解放されたとき、はめを外したい気持ちになるのは決して異常なことではないと思うのです。
 まあ、この市長は中央官庁キャリアからの転職組であり、地元では真面目そうなエリートで通っているので、そのイメージを壊す正反対の行動であったため、週刊誌もネタになると判断したのでしょう。ですが、そういう行動様式は多くの若い男性に共通しており、週刊誌がわざわざ書くまでのネタではない、まして将来ある若手の政治家に対し武士の情けで記事化は見送るべきだったのではというのが小生の率直の感想です。
 地方自治体の首長にしろ、議員にしろ、職員にしろ、出張ではめを外し、同様行動を取ることは少なからずあることです。強いて言えば、通常生活の範囲内。そんなことをいちいち追及されたとしたら、たまらない。ですから、小生はこの報道を見て、ものすごく恐ろしさを感じました。彼のささいな行動に対しても監視し、問題視しようとする目があったということです。
 本来、週刊新潮がこんな地方の一市長に注目し、パパラッチすることはまずありません。となると、並河市長に敵対する何らかの現地の勢力が彼の周辺をずっと探っていて、一挙手一投足を監視し、その”荒”を見つけ、週刊誌に売り込んだということでしょう。
 その敵対勢力とは、彼をこのネタで脅し、市の公共事業を取ろうとした企業かも知れないし、市長に要求を通すことを目的とした議員や役人かも知れないし、彼を追い落とし次の市長を狙う対抗馬かも知れない。地方の首長クラスであろうと、敵対勢力は十分存在します。でも、それにしても夜のプライバシーまでずっと監視されているとしたら、当の本人は恐怖以外ありません。
 この週刊誌記事で唯一示唆的だったのは、地方の政治家であっても絶えず反対派に監視され、その揚げ足を取られる恐れがあるということ。国会議員のかなりの人がこうした”監視”に無防備でその座を追われました。今後は、地方の政治家にも教訓になったものと思われます。


 上の写真は、横浜市南区にある弘明寺の風景。正月三が日はものすごい参拝客が集まります。