つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

異常性、凶暴性は顔で判断できない

 神奈川県座間市のアパートから9人の惨殺死体が発見されたというニュースには本当に驚かされました。借り主の男は、SNSで見つけた自殺志願者の男女に対し、一緒に決行するようなふりをしてアパートに連れ込み、殺害ないし自殺ほう助していたらしいのですが、本人は死んではいない。つまり、殺人自体を目的としたところもあり、その動機がよく見えてきません。
 借り主の男、つまり連続殺人事件の主役、白石隆浩は8月にこのアパートに引っ越してきて、8月末に最初の事件を起こします。それから10月31日に逮捕されるまでの2カ月余の間になんと9人を殺しています。3日強に一人という飛んでもないハイペースの殺人で、これにまず驚嘆してしまいます。
 次いで、遺体を風呂場で独りで解体したそうですが、その”作業”を想像するとゾッとします。成人の遺体の解体には相当な時間がかかるでしょうし、血がたまり、仕分けた肉片・骨が積み上げられ、臭いも充満します。アパート風呂場の狭い空間でよく耐えられたものです。一般人なら反吐が出るような気味悪さを感じるはずですが、彼はそれもどんな状況、意識で黙々と遂行したのか。
 白石は殺した人たちを自殺志願サイトで見つけたとしています。それなら、本人にも自殺志向があったのでしょうか。そうでなかったとしたら、人殺しをするために自殺志願サイト、志願者を物色、利用したということになります。
 人殺しの目的もよく分からない。被害者への怨恨、物盗りとも思えません。これまで、切り刻んだ肉片をどうこうしたという報道がないところを見ると、カニバリズム(食人趣味)でもなさそうです。としたら、この男は、殺すこと自体に快感を感じるという希代の殺人鬼です。
 でも、この男、そんな凶悪そうな顔には見えません。顔はテレビの動画で見られず、スチール写真でしかお目にかかれないのですが、やさ男で暴力的な雰囲気はありません。多くの女性と同居経験を持ち、複数の自殺志願者の女性を自分の部屋に誘い込めたのも、やさ男の雰囲気がもたらしたことかも知れません。顔では異常性、凶暴性を判断できないという典型的な例です。
 小生は、この事件の裁判の行方にも注目しています。殺すこと自体が目的の猟奇的事件で、怨恨とか物盗りでないとしたら、動機の解明がしにくい。となると、弁護側は恐らく殺人罪でなく、単なる「自殺志願者の自殺ほう助ではないか」という形で争ってくるのではないかと想像されるからです。ただ、1人ならいざ知らず、9人も殺して自殺ほう助はないと思いますが、、。。

 上の写真は、銀座の並木の紅葉。先週、会食のため久しぶりに銀座に出たら、並木が色づいていました。