つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

埋め立て地には液状化が付きまとう

 今回、北海道で起きた最大震度7という地震で、震源地から結構離れた札幌市清田区というところで液状化現象が起きました。液状化はおよそ人的被害がないのですが、街の機能を破壊するという点では結構大きな問題となります。後日、NHKのドキュメンタリー番組が清田区液状化の原因について解説していましたが、家屋が破壊され、傾いたところは線状に並んでおり、そのラインにはかつて谷があって下に川が流れていたというのです。
 札幌の市街地が拡大したため、その地区は丘が削られ、谷が埋められ、住宅地として造成されたようです。谷の部分は埋め立て土の入った軟弱地盤ですから、もともとあった地形がその後の災害によって”先祖返り”します。台風21号で雨が谷底にたまったところに大地震があり、下の水気を含んだ粘土質の部分が地上に露出してしまったのです。
 2011年の東日本大震災の時に、千葉県浦安市でも液状化現象が起こりました。ここの新興住宅地も東京ディズニーランドと同じように埋め立て地。埋め立てした場所にはまったく新しい街並みが造れるので、見た目はきれいだし、高級感があります。だれもが住みたくなる印象を与えるのですが、埋め立て地には液状化というリスクもあることを考慮しておかなければならないのでしょう。
 不動産購入は高額でもあるので、恐らく一般人にとっては、一生のうちに一度しか機会がないと思えますから、慎重に場所選びをしなければなりません。ですが、多くの人が見た目や利便性だけを考えているだけのようです。本当は不動産の昔の地形がどうだったかを調べる必要があります。江戸時代まで遡るのは実際無理でしょうから、少なくとも明治、大正時代辺りまで遡り調べておいた方がいいのでしょう。
 ただ、そうは言っても、個人レベルで調査は簡単なことではありません。小生も横浜でマンションを買い、買い替えたけど、もともとの地形をそれほどよく調べたわけではありません。現在住んでいるところは野毛山の中腹。明治、大正時代はある豪商の邸宅があったそうで、石垣の上に建てられています。その石垣は関東大震災にも耐えたようですから、安心しています。ですが、人生には「まさか」ということもあるので、用心に越したことはありません。

 上の写真は、「暖簾の町」で有名な岡山県真庭市勝山の街並み保存地区で見た面白い暖簾。「笑顔は化粧に勝る」というのは珠玉の言葉。