つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

豊洲問題、落としどころは難しい

 東京都の豊洲市場問題はいよいよ佳境に入ってきました。盛り土をしなければならないところをどうしてしなかったのか、だれが命じたのかが焦点でしたが、結局、特定のだれかが責任という形は取れず、小池知事は歴代の市場長全員に懲戒処分を下しました。これで分かったことは、行政って所詮、責任をあいまいにし、だれも結果責任を取れるようなシステムにしていないということです。
 豊洲は埋め立て地であり、以前は東京ガスが所有していたのですから、汚染されていたことは周知の事実。ですから、全体に盛り土をしておけば一応この汚染問題はクリアできたはずです。それをどういういきさつで一部の盛り土がなされなかったのか。歴代の市場長はだれも自らの関知を否定していました。役所の上司はうやうやしく部下の作った関係文書に認印などを捺すが、実質その文書をしっかり見ていないということです。
 そうなれば、盛り土しなかった責任は総トップである石原慎太郎都知事が取らなければならないでしょう。彼自身が当時、その問題性をどのくらい理解していたかは分かりません。ですが、テレビのワイドショーなどが報じていたように、少なくとも「盛り土なしもあり得る」という工法を聞きかじって、部下に検討を指示していた様子はあります。彼は、小池都知事ヒアリングに応じないということですが、これは自らの責任を暗に認めているからでしょう。
 小池都知事は、それなりに都民目線でしっかりとやっているように思います。もし、ナルシストジャーナリトや元岩手県知事がなっていたら、豊洲問題はどうなっていただろうと考えてしまいます。もし増田知事であったら、豊洲問題は起こらず、予定通り市場は11月に開業していたでしょう。鳥越知事だったら、もちろん共産党、宇都宮氏辺りが提起するので問題化していたと思います。
 ただ、鳥越氏は問題収拾能力に欠けるでしょうし、共産党やいわるゆ市民団体に煽られてにっちもさっちもいかなくなります。都庁は大混乱になり、結局、「普天間の移転先は最低でも県外」などと大ぼらを吹いて手足を縛り、その収拾がつかなくなった民主党のあの元総理のように、辞任するしか手はなくなるのではないでしょうか。
 トップ行政マンの良し悪しは、問題を提起し市民を味方に付ける振りをしながらも、陰で利害関係者に接近し、妥協点を探り、うまく問題の収拾を図ることで決まります。小池女史が今、陰でどういう落としどころを探っているのか、記者の端くれだった者からすると、大変興味があります。しかも、築地市場はオリンピックのための道路建設にかかわっており、タイムラグがあるのです。時間が限られての落としどころ、難しいですが、、。

 上の写真は、ハバロフスクにあるロシア正教会の寺院。