つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

安倍氏、小池女史、どちらが総理か間違えそう

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 タレントの星野源がやっているSNSの応援サイトに安倍首相が投じた動画が問題になっています。星野の歌に合わせて横に安倍首相が自宅でくつろぐ様子が映されているのですが、「新型コロナウイルス対策が瀬戸際にあるときに、こんな余裕でいいのか」と世間の批判が相次いでいるそうな。首相は「皆さんも私と同じように自宅にいてください」とのメッセージを込めたかったのでしょうが、世間はそうは見なかった。「景気衰退で疲弊している時に家で優雅にくつろげるか」「首相は逆に、この大切な時こそ一生懸命ぶりを示してほしかった」ということなんでしょう。

 この動画を待つまでもなく、コロナウイルスに対する安倍首相の初動対応、さらには緊急事態宣言でも”徹底性”がないことから、政府の対応は全般的に不十分と思っている人が多いようです。その国民の意思は最新の世論調査にも表れました。安倍支持率は、どの調査を見ても「不支持」が「支持」を上回っています。これは、世間が安倍首相のリーダーシップを評価していないということであり、ゆゆしき事態かと思われます。

 それに比べて、小池百合子都知事のリーダーシップぶりが際立っています。まあ、今夏の知事選で再選を意識した面もあるのでしょうが、毎日テレビCMに出て自粛を訴えています。客が集まる事業体への自粛要請も国よりも早く、逆に国をリードした形になっています。新型ウイルスに対する小池氏の危機感は確実に首相や政府全体の認識より高ったということでしょう。

 ちなみに、ニュージーランドのアーダーン首相やフィンランドのサンナ・マリン首相も30歳台という若年女性ながら、今回、早々と都市封鎖したり、国境を閉じたり、マスクを大量保管したりと適切な措置を取っています。このほか、忘れてはならないのがお隣台湾の蔡英文総統の機敏な差配。1980年代初めのフォークランド戦争に果敢に立ち向かったサッチャー首相の例もあるように、危機管理はやはり女性の方が向いているのかも知れません。

 今回の問題で、安倍首相と小池都知事が記者会見に出てくると、失礼ながら、どちらが総理なのだろうかと錯覚してしまいます。それだけ、小池氏の落ち着いた発言ぶり、てきぱきとした対応が安倍氏の余計な言葉が多く、感情の籠らない発言を圧倒していました。小池氏はかつて自民党にいた時に総裁選に立候補したことがありましたが、あれは意外なことでもなかった。当時からそれなりに評価していた党員がいたんですね。今回の件を見ると、女性で初めての総理大臣は彼女で良いのじゃないかとも感じてしまいます。

 さて、こんな時期、LineやWechat、Facebookで数多くのメールが入ってきます。それらのメールから、小生とほぼ同年齢の多くが自粛を余儀なくされ、時間を持て余しているんだという雰囲気が感じられます。そんな中にビジネスメールも。「中国製の医療用N95マスク、防護服は要らないか」とか「NHKでも放映していたけど、病院で簡単に針を指に刺し、そこで新型ウイルスの抗体の有無を調べるキットがあるが、売り先はないか」という、中国貿易をやっている友人からのものもありました。

 中国は自国でウイルスをほぼ制圧したことで、すでにマスクや検査キットなどは余り気味のようで、海外に売りに出しています。災い転じて福となすということで、この際一儲けしようという魂胆でしょうか。ただ、欧州から入ってくるニュースを見ると、中国製の医療用品はいまいち、信用されていない感じ。フランス、イタリア、オランダからフィンランドまで、N95マスクは欧州の基準に達していないとのことで、突き返されています。

 中国は”マスク外交”を通じて中東や欧州との「一帯一路」の関係を再構築したいと考えているのでしょう。そうであれば、これこそ千載一遇のチャンスなのでしょうが、現実はそう簡単でない。中国の製品は本来、自動車、精密機器を含めてすでに一定の国際水準に達しており、医療機器も同様だと思います。でも欧州から「不完成品」との烙印を押されてしまうのはどういう理由か。あるいは不心得の貿易関係者がいて、不良品、偽物を流しているのかも知れません。その辺が中国通の小生には残念でなりません。

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 上の写真は、ウイーンで見掛けた市内観光用の馬車。