小池百合子東京都知事に今、学歴詐称の疑いがかかっています。本人はカイロ大学卒業と言っているんですが、ルポライターや他の記者も「彼女は卒業はしていない」と厳しい目を向けています。大学を出たとか出ないとか、大学で大した勉強もしていない我が身からすれば、どうでもいいような感じもしますが、こと政治家の経歴を書く場合は、真実を書くことが必要であり、都知事選の再選に立候補する彼女にとって、どうでも良いというわけにはいかなくなりました。
小生も記者をしてきたので、重々承知していますが、外国の教育機関にかかわる経歴を書く場合、誇大で書くケースが往々にあります。日本国内の教育機関の場合、問い合わせれば、すぐに了解できることだし、同窓生がいるかいないかでも分かる。ところが、海外の場合、どうも簡単に嘘がばれないと思うのでしょうね、詐称があります。かつては、プロ野球監督の奥方がコロンビア大学修学という詐称をしていましたし、小生の大学の講師仲間にも、米国の名もなき「大学」の博士号を取ったとして名刺に刷り込んでいた人もいました。
今はインターネットも普及し、世界が狭くなったので、経歴など地球上のどこであっても、瞬時に分かってしまいます。海外に行って、有名大学を訪問し、数時間いただけで経歴に「…大学訪問学者」などの経歴を書いたりすることはできません。小生の香港時代の友人の中には、取材で米コーネル大学を訪問した時、生協で校名入りのＴシャツを買い、香港でのレクリエーションに着てきたことがありました。「あれ、そのＴシャツ、いかにも卒業生見たいにみえるけど」と言ってからかったところ、彼は「着ているだけでは学歴詐称にはならないだろう」と笑っていました。
小生自身も、米ボストンのMIT（マサチューセッツ工科大学）を訪問した際、生協で校名入りのパーカーを買いました。その後、それを着て中国に行ったところ、確か上海の空港でその胸の校名を目ざとく見つけた中国人女性がわざわざ中国語でなく英語で「あなたは卒業生ですか」と聞いてきたことがありました。面倒臭いので「そうだ」と答えておいたのですが、これは立派は学歴詐称です。でも、小池さんのように、選挙に出るわけでもないので、犯罪にはならないでしょう。
小池さんがカイロ大学に在学したことは事実なんでしょう。要は、卒業か中退かという点です。本人は「首席卒業」なんて吹聴していたものですから、今さら「卒業もしていませんでした」とは言いにくいのでしょう。いずれにしても、都知事再選を目指すなら、選挙公報に真実の経歴を載せなくてはなりません。嘘を書けば公選法違反となってしまい、だれかが必ず告発します。だから、今度は小池さん、どう書くんだろう。今から、注目されます。
それにしても、世間は厳しいです。新型コロナウイルス対策で立派な仕事をしている小池さんに対しても容赦ない。”たかが”学歴のことでも重箱の隅を突くような細かい目が向けられるのです。この上、職歴や結婚歴で詐称していたら、これも大変なことでしょうが、小池さんはこの面でも「嘘」（結婚歴があり、子供がいるとか）があるのではないかと言われています。同情してあまりあります。
上の写真は、友人が送ってきた蘭の花。
