つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

居酒屋で酒を注文しないとは失礼千万

 ある人が言っていました。われわれは、帰宅すると手洗い、うがいをし、かつ最後に手をアルコール消毒します。アルコールというのは殺菌作用があるそうですから、それならば、われわれは酒を飲めば、それで口に入ったウイルスを殺菌できるのではないか。もっと端的に言えば、酒飲みはウイルスに感染しないのではないか。確かに、この論法は説得力があります。といことで、われわれ飲み友達とは、酒飲みの会に誘う時、「体内をアルコール消毒しましょうよ」と言うようにしています。

 テレビを見ていると、世間の人は驚くほどに外出しない。で、盛り場も、遊園地も、劇場も、映画館も、スタジアムも、どこもかしこも人がいない。せっかく春らしい陽気になり、桜の開花宣言も出たというのに、われわれはまったく浮かれた気分になれません。これでは、サービス産業は全滅です。GDPに占めるサービス産業の割合は7割であり、従業員数で言うと8割くらいになるそうです。であれば、この”強制的な”景気後退で、多くの人が失業し、特に日雇い、アルバイトの人は解雇の危機にさらされそうです。本当に困ったものです。

 小生はこの衰退ムードに一人で反発しています。最近、感染者が増えているという欧州(イタリアでなく中部欧州ですが)を旅行してきたし、帰ってからも、できるだけ外に出て体内のアルコール消毒もしています。勉強会の主幹事から、今年の花見をどうするかという相談があったので、断固やるべしと答えておきました。でも、毎年開催している市谷・九段の土手は、千代田区役所が禁止しているそうで、できないとのこと。屋外なら風が吹き、問題ないと思いますが、役所は自粛ムードを強要します。

 で、久しぶりに他の場所でやることにしました。狙い目は今年は中国人のいない上野公園でしょうが、ここも台東区役所が禁止し、開催不可能。ですから、近くの日暮里、谷中墓地、千駄木界隈の花見にしました。コロナウイルスで世間が盛り下がっている時に墓地での花見とは、また一興。墓地なら、さすがに台東区役所も文句をつけないでしょうし、お墓に眠っている人も喜ぶに違いありません。もともとソメイヨシノとは駒込の染井霊園から始まった桜の種類なので、墓がお似合いなのです。

 われわれの花見はともかく、テレビのワイドショーを見ていたら、最近、居酒屋で酒を注文せず、料理だけ食べる集団が増えているとか。数人の仲間のうち、生理的にアルコールを受け付けない人が酒を注文しないのは分かりますが、全員、水だけ飲んで、黙々と料理を食うという構図はちょっと理解に苦しみます。そんなに居酒屋の料理っておいしいものか。居酒屋の料理って所詮酒の肴でしかないのでは。主役はあくまで酒であろうと思いますが、、。

 ワイドショーでは、酒を注文しない居酒屋の客を許せるかどうかということで、街の声を聴いていました。結果は、賛否半々であったので、小生はびっくり。居酒屋は、それぞれ工夫を凝らし、冷暖房の室内温度も含めて一定の雰囲気を作り、客をいい気分にさせる店づくりをしているはずです。そういう雰囲気を味わう料金も酒代には入っていると思います。飲料、特に酒は店の中で一番利益率が高い商品ですから、客は飲む飲まないにかかわらず、店への感謝の意味で、義理でも一杯の酒は注文するのが礼儀ではないかというのが小生の考え方です。

 飲食店の雰囲気を味わおうとする利用者は、最小限でもその店の効率的な売り上げに協力しなければならない。それができない人、嫌だという人は、スーパーで買ってきたものをだれかの自宅か、公園かで食べればいいのです。露天の花見と同じことをすればいいのです。居酒屋で、グループ全員が酒を注文しないというのは、人の家に招待された時に、手土産一つ持っていかないことに等しい行為だと思います。

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 上の写真は、ベルリンの壁とつながっていたブランデンブルグ門とその門近くにあった土産物屋の飾り。