つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

マイナス思考が痴ほう症の原因とは

 日本で発行している華文新聞を読んでいたら、面白い記事を発見しました。マイナス思考を持ち続けると、脳内に大量の有害なタンパクがたまり、認知能力が退化していく、老人性痴ほう症の原因になるとのこと。英国ロンドン大学のある研究室の研究成果です。確かに世評でも、物事を悲観的に考える人はあまり健康にならないと言われているので、これは、認知能力に限って医学的な根拠を与えたことになるのでしょう。

 ロンドン大学の研究チームが55歳を超えた350人を任意に選び、2年間にわたって追跡調査しました。その結果、対象者の3分の1に認知症(健忘症?)の気配が見られたので、彼らに対しPET(断層撮影)をしたところ、脳内に有害タンパクとベータ澱粉がたまっていたという。この2つの物質は記憶力や認知能力を衰えさせ、若年性痴ほう症の原因と言われているのですが、物事を悲観的に考える人ほどこの2つの蓄積が多かったとのことです。

 ニューヨークで痴ほう症研究の権威であるリチャード・アイザクセン医師は「精神構造と痴ほう症との関係を生物学的にとらえた優れた成果。今後、この分野の専門医は、歳を取ったら気楽に行くべきだと大手を振ってアドバイスできる」と話しています。今回の研究は、高齢者のマイナス思考と痴ほう症との関連に絞っていますが、でも、よくよく考えると、高齢者に限らず若者でも「悲観的に物事を考えると、良い結果は生まないよ」と、昔から一般論で言われていたことですね。

 例えば、小生の過去のつたない例を挙げても、草野球で次にピッチャーが投げる球は速い球か変化球が来そうなので絶対に打てないと思ったり、テニスのサービスレシーブで次のボールはどうも受けられそうにないなとちらっと不安が過ったりすると、案の定ほぼ100%の確率で失敗しました。だから、精神的にゆったりして、緊張状態を楽しみつつ、俺なら絶対にうまくいくに決まっていると思い込んだ方が、良い結果が出るのでしょう。昔、巨人軍の長嶋茂雄選手はいつもそういう楽観的な精神状態にあったらしく、それが原因のせいか、良い成績を残しています。

 でも悲しいことに、歳を取ると、どうも悲観的に物事を考えがちになるんですね。若い時は能力のなさを体力でカバーできるとか、他人の2倍動けば他人の成果に追いつくので問題ないなどと小生も思っていました。ですが、老化すると体力カバーの発想ができなくなる、いやそれどころか、体力の衰えで逆に差がついてしまうのではないかと不安になってしまう。その結果、ますますマイナス思考になってしまうんです。それが痴ほう症の原因になるとは、華文のニュースを見るまで知りませんでしたが、、。

 古希を過ぎると、健忘症になります。原稿を書いていて人名、地名が出てこなかったり、四字熟語、ことわざが思い出せなかったり。その都度、辞書を引き、パソコン検索で調べれば済む話ですが、正直、思い出せないことに腹立たしく、情けなくなります。これも悲観的精神構造の結果なのだとしたら、悲しくてやり切れません。今後はなるべく、歳なんだから仕方ないと割り切って楽観主義で行きたいと思います。

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 上の写真は、横浜野毛飲み屋街のバーの店先にある飾り。