つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「三角折り」よりも食品添加物に注意すべきだ

 「文明病が怖い」という前回の続きの話をします。日本は先進国、文明国ですから、国民は一般的にかなり潔癖症が多いのは間違いありません。小生も含めてほとんどの人は毎日、帰宅後にうがい、手洗いを励行し、風呂にも浸かっているし、下着も毎日替えていることでしょう。でも、本当の潔癖症はその程度では収まらない、とんでもないことにも関心を持つようです。

 先日、テレビのワイドショーで取り上げていた話題にびっくりしました。最近、共用トイレで後から入る人への配慮から、トイレットペーパーの先端を三角に折り曲げたり、蝶結びにしたりする傾向が見られますが、こうした行為に対し、「他人がその後に個室に入る人の紙に手を触れるので、不衛生」と指摘する声があるというのです。これには、小生もちょっと驚きました。

 前の人がその後に使われるペーパーに手を触れたからといって、どれだけ後の人が迷惑を感じるのでしょう。所詮、他人が触れた部分は尻を拭き、便器に流すだけで、別段、食べ物を包むわけでもない。しかも、後に個室に入った人は必ず手を洗うでしょうから、手にばい菌が残るわけでもない。一部の女性、特に子供を持つ人たちが三角折り、蝶結び反対と叫んでいるけど、神経質過ぎるのではないか、と小生はしみじみ思います。

 人間、あまりにも潔癖な空間に置かれ続けていると、やはり人間が本来持っている免疫力を退化させてしてしまうのではないか。その昔、小生はインドに旅行した際、激しい細菌性の下痢に見舞われました。インドは水が危ないと聞いていたので注意はしていたが、ニューデリーで泊まったのは5つ星のメリディアンホテルだったから、ちょっと油断がありました。朝食のブッフェで食べた生野菜が原因のようでした。生野菜はインドの水道水で洗ったもので、そこの菌に”汚染”されたと推測されます。

 現地のインド人は、日本に比べ清潔と言えないような水道水を普段使っていても下痢などは滅多にしないでしょう。ということは、小生を含めて日本人は異常なほどに潔癖症で過ごしてきたために、こうした危ない水への抵抗力、菌から体を守る免疫力をなくしてしまってきた可能性が大きい。何事もきれい過ぎることが必ずしも身体の安全を保障することにはならないということです。

 現代の人間は、過激な潔癖症を示す一方で、化学調味料、合成着色料、保存料など目に見えない食品添加物には比較的無関心、無頓着です。見た目のきれいさを保つ”薬品”ですから安全と感じてしまうけど、本当はこちらの方がかなり危ないと思います。アトピーや花粉症などは1970年代以降の現代病で、小生の子供のころはそれほど言われていませんでした。最近、その罹患者を増やしているのは、70年代以降に出回ったこうした食品添加物に”汚染”されてきたからという説が有力です。

 トイレットペーパーの三角折りが不衛生などと言う前に、レトルトや袋入り食品の内容物にもっと注意を払うべきです。医師の中には、「お腹に回虫が飼えるようなら、アトピーや花粉症とは無縁」という声があります。「シャワートイレが普及し、肛門をきれいに洗浄してしまうのが花粉症の原因」という俗説もあります。これらの真偽はともかく、敢えて過激なことを言わせていただければ、「健康でいるには不衛生がいい」ということなのかも知れません。

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上の写真はカンボジアシェムリアップのディナーショーで見たダンス。カンボジアも汚い身なりの子供たちがいましたが、皆元気そうでした。