つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

コロナ原因自殺と感染死亡者を比べてみて

 新型コロナウイルス対策で経済にブレーキをかけ、景気が低迷したことにより、政府が今秋、打った手は「ゴウツゥ何とか」でした。小生も旅行に行って恩恵を受けた一人ですが、旅行代金もレストラン代金も大幅割引になるのですから、人は押すな押すなの勢いで外出し、そして密集の中に身をさらしました。マスクをして用心していると言っても、マスクをしたままでは飯も食えず、酒も飲めません。その時は当然外すし、多くは酒の勢いもあってそのままノーマスクで会話しますから、感染が広がるのは必然でしょうか。

 それで、今は第3次のピークとか。世間ではかなりの数で感染しているようです。東京で500人規模、小生が住む神奈川でも200人規模のPCR検査陽性者が出たと言うのですから、実に恐ろしいことです。「ゴウツゥ何とか」キャンペーンが始まったので、コロナがいなくなったと思ったおめでたい人もいたるみたい。案外単純で、無警戒なんですね。幸いなことに、小生は今のところ、高熱もなく、食べ物に臭いも味も感じるので、コロナには縁がなさそうです。

 今、感染者が激増し、テレビのワイドショーなどを見ていると、「政府はなんだ、無策過ぎる」「ゴウツゥ何とかで人出を煽ったのは、やり過ぎだろう」と政府批判だらけです。ああやれば、こう言う、コメンテーターは気楽な商売です。こうした批判に同調する世間の多くの人たちだって、ゴウツゥキャンペーンに煽られて、割安なチケットを買いに走った口ではなかったのか。自らがはしゃいでおいて、今さら「なんでゴウツゥキャンペーンなんかやったんだ」と批判するのは実に解せない仕儀です。

 野党も感染者が増えたことで、鬼の首でも取ったごとく、政府を批判していますが、何言ってるんだ。では、聞くが、どうすれば良いの、最上の策ってあるの?。経済をうまく回しながら、コロナをきっちり抑える方法ってあるの。ブレーキとアクセルと同時に踏むことは所詮無理な話なんです。橋下徹大阪市長はテレビで、「ゴウツゥ何とかは続ければ良い。街の酒場がいかに地方自治体から営業自粛、時間制限を指示されようと、補償金が十分出ない以上、無視して営業を続ければ良い」と言っていたけど、小生もそう思います。

 経済にブレーキを掛けたことで、第3次産業は低迷し、失業者が大量に発生し、働きたくとも働けない。そこで、生活できなくなり、自殺者が激増しています。警察庁によると、今年6月までは前年同期比で減少傾向だったそうですが、7月以降に増加に転じ、7月が1840人、8月は1889人、9月が1828人と3カ月だけで5500人余と、前年を大幅に上回っている。特に、女性の自殺者が増えたのが特徴です。すべてコロナのせいではないでしょうが、多分に影響しています。これに比べて、コロナ感染死亡者の数って今、何人でしたっけ。

 コロナの重症者や死亡者はテレビで報じるけど、「コロナが原因の自殺者、今日で何人目」という数字は報じられません。でも、深刻です。コロナによって、店も、酒場も、レクレーション施設も、何もかも閉めてしまったら、そこで働く人たちはどうすればいいの。自殺者数でもコロナ死亡者数以上であるのに、失業、失職、そして生活苦の人たちも含めたら、コロナ感染者数どころではない。もともとぎりぎりで生活してきた人はどう生きろと言うのか。経済が縮小することの方がもっとわれわれの生活にダメージが大きいことを知るべきです。

 残酷な言い方をすれば、今、感染している多くは無謀に外に出て、三密に身をさらしている人、その家族、関係者だと思います。それはそれで自業自得なのだから、しょうがない。粛々と病院に入ればよい。重症者のベッド数が足りないのであれば、それはそれで成り行きに任せるしかない。だが、この人たちのせいで、社会生活全体を停止してほしくない。小生はなるべく外に出ないようにしていますが、外出するとなれば最大限の用心をしていますし、自宅に帰れば、それなりの衛生対策をしています。リスクはあくまで自分で管理すべきで、社会活動、経済を停止すべきでないと思います。我が国は全体主義の国ではないのですから。

上の写真は、みなとみらいショッピングモールにあるディスプレー、下の方は伊勢佐木町モールのビルに飾られた蛙。