つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ローマ字も外国語も、探ると結構面白い

 前にも取り上げましたが、不動産企業オープンハウスのコマーシャルはいつ見ても笑えます。「時代がたっても価値の変わらないものは何?」「それは愛」と答える人に「駅前の土地だから」と言い切るのも面白かったけど、「open house」を「オペンホウセ」と柄本明に真面目くさった顔でローマ字読みさせるのもなかなか。本来最大限に売り込みたい自社名を茶化すのは勇気がいることだと思いますが、CM制作担当者はむしろ逆手に取ったのです。確かに、われわれ視聴者はオープンハウスという社名をしっかり頭に叩き込まれました。

 この英語とローマ字読みのあやについては、こんな笑い話もあります。ある人が横浜駅で英語で外国人に声を掛けられ、「戸部駅京急線)まで行きたいが、日本語でどう言ったらいい」と聞かれたので、「では、駅員にこの通りに言って切符を買ってもらったら」と言ってメモを渡したとのこと。メモには「Tobe made no ticket」というローマ字を書いてあったのですが、当の外国人は「ツゥビーメード、ノーティケット」と読んでしまい、理解不能になってしまったとか。多分に作り話だと思いますが、、。

 安倍首相は横文字で書けば「Prime minister Abe」ですが、Abeは英語で一般に「アベ」とは読まれません。語の最後が母音なので、最初のAは二重母音で読まれるのが普通で「エイブ」となります。その昔、ゴルフ選手の青木功さんが米国でよく「掲示板にはAokiと書かれているのでエイオキと呼ばれた」と話していました。耳で聞く限りでは語感がだいぶ違いますよね。英語とローマ字つづりでは、発音的にはちょっと似て非なるところがあるように思います。

 英語と日本語の発音の相似でも結構笑い話がありますね。日本の旅行に行く米国人が友人に「日本語で朝はどういうあいさつ?」と聞いたところ、返ってきたのが「おはようだから、Ohio(オハイオ、中西部の州)と言えばだいだい通じる」。ただ当の米国人はOhioより中西部の州としっかり記憶してしまって、日本に来たら「ミシガン」とか「インディアナ」とかを連発していたとか。同じように、「ありがとう」は、ワニの「alligator((アリゲーター)」と発音が似てるから、ワニ、ワニと覚えていって、実際に使う時には「crocodile(クロコダイル)」と言ってしまったとの話もあります。

 香港ではというか広東語では、朝のあいさつは「ゾウサン(早晨)」。日本語の象さんに似ているから日本人は覚えやすい。ある日本人が香港に赴任してきた同僚に「香港ではおはようはゾウサンで、こんばんわはキリンサンって言うんだ。日本語に似てて面白いだろう」と吹聴。そこで赴任してきた人は朝、香港人に「ゾウサン」と声かけたところ、確かに「ゾウサン」と返ってきた。然らば、夜は「キリンサンに違いない」と確信して「キリンサン、キリンサン」を連発したら、相手がきょとんとしたという。これは小生の香港時代の仲間のことで、実話です。

 ちなみに、大陸の中国でも香港でも、日本語の「こんばんわ」のような夕方、夜に限ったポピューラーなあいさつ言葉はありません。共通中国語では「ニーハオ」、広東語では「ネイホー」あるいは「レイホー」というのが普通です。つまり、昼間と同様。大陸では「晩上好(ワンシャンハオ)」などという言い方もあるけど、これはラジオ、テレビのメディア用に作られた言葉で、一般のあいさつでは使われていません。

 言葉は面白いです。コロナ禍で、新聞を読んでも、テレビを見てもその種の話ばかりでうんざりしているので、以上のような気休めの話もよろしいかと思い、出しました。このほか、海外では卑猥な意味になってしまうので、特定の国では使ってはいけない言葉もあまた承知していますが、ここではやめておきます。

 上の写真は、今、中国の若者に人気がある重慶市産の白酒(中国蒸留酒)。ラベルに、人生訓のような気の利いたセリフが書かれているのが売り。小生は、関内の中華料理店でたまに飲みます。