つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

タリバンは「ノータリンバン(脳足りん班)」

 これもちょっと旧聞に属する話題ですが、パキスタンで女子教育の推進活動をしていて、イスラム武装過激派組織「タリバン」に頭を狙撃され、重傷を負ったノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさん(23)に対し、タリバンが再度暗殺の脅しをかけています。そもそも女性には教育が必要ないという発想はどこから出て来るのか。イスラムの教義にはないと思います。百歩譲って特定のだれかがそういう考えを持つのは自由ですが、それを他人にも強要し、守れないヤツは許さん、殺すぞというのはおよそ無茶な思考回路。自由と民主主義の中にいるわれわれからすると信じられないことです。

 父親が学校の先生で教育一家に育ったマララさんは「女性も教育を受けたい」と、その権利取得のために闘っていたんですが、2012年、当時15歳の彼女が乗り合いバスで登校途中、そのバスに乗り込んできたパキスタンタリバンの兵士から「だれがマララか。名乗り出なければ全員射殺だ」と告げられる。彼らが最初からマララさんだけを狙っていたことが明白。彼女が名乗り出ると、兵士が発砲、頭などに3発の銃弾を浴びせたのです。15歳の少女としては、随分酷な体験だったかと思います。

 彼女は英国で手術を受けるなどして奇跡的に生き延びます。そして、彼女の功績が改めて世界に喧伝され、称賛を受けて、2014年ノーベル平和賞を獲得しました。同賞受賞者ではもっとも若い年齢。彼女はその後、その言葉に恥じることなく、英国オスクフォード大学で哲学、政治学などを学んでいます。そのまま英国にいれば、平和な暮らしもできたのでしょうが、彼女が偉いのは、自分が受けた教育を祖国の女性のためにも授けたいと、志願して危険なパキスタンに戻ってきたことです。

 マララさんは国連本部で演説し、「銃弾では私の行動は止められない」と女性の教育、権利獲得のために闘い続けることを宣言しました常識ある人間からすれば、なんと素晴らしい人間かと感動してしまうけど、タリバンにはそういう常識が通じない。同組織のスポークスマン的役割を持つエサヌラハ・イフサンなる男が最近、ツイッターで「再度マララを襲う。手を失うことになるだろう」と脅してきたのです。本当にノータリンの連中です。幸い、パキスタン政府はこの男を逮捕し、その後襲撃事件は発生していない。タリバンSNSアカウントも永久閉鎖されました。

 でも、ひどい話です。小生にはいまだに分からないのは、タリバンは「女が教育を受けるのは許しがたい罪であり、死に値する」と言っていることどうして女性への教育が「罪」になるのか。ウィキペディアによれば、イスラムの法典、コーランには「女性は男性より劣位にあり、保護されるべき存在」とあるそうですが、これは弱者へのいたわりを諭したものでしょう。教育を禁じるとか、まして「罪」になるとまでは書かれてないと思います。タリバンがそう考えるなら、拡大解釈か、誤った解釈です。

 話は飛んで、日本の男女差別の問題。国会議員とは会社の取締役とかで女性の登用率が先進国の中ではかなり低く、日本は女性に辛い国、差別のある国だと見られています。この現状にお前はどう思うかと問われれば、小生は、差別があるとは思いません。同時に、男女同数の方向に向かうため、女性を一定割合で登用するというクォータ制度導入の考えがありますが、これにも反対です。本当の意味で、男女の同権同等とは、試験の点数で優劣を量るように、性別に関係なく淡々と序位を付けたらいいと思います。女性優先の逆差別もまた問題です。

 上の写真は、千鳥ヶ淵の桜道に咲いていたモクレン。背景はインド大使館。インドのヒンズー教にも男女差別があるのか。