つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

安倍支持受けても高市の当選確率は低いのか

 自民党総裁選がますます面白くなってきました。この4日間で最大の動きは、安倍前総理が高市早苗女史を支持したことではないか。麻生太郎現副総理兼財務相も自派の河野太郎を支持せず、高市支持に回る可能性大だとか。2人の元総理が高市贔屓だから言うわけではないが、小生も高市を買っています。でも、テレビのワイドショーでも、彼女の”当選確率”がそれほど高くないと見られているのには驚きです。まだ世間に名が知られていないせいか、それとも彼女の”肉食タイプ”が嫌われているのか。

 今、登場している候補者を寸評します。岸田氏は菅に対抗して出馬宣言して、二階降ろしに火をつけたのは立派です。あの時の演説は実に良かったけど、菅が降りて自分が一番手と感じた時点から態度がおかしくなりました。先週末土曜日朝の日テレ系番組に岸田が生出演しましたが、「えー」「あー」の間延びのほかに、印象に残るフレーズが「しっかりした…」「しっかりと」という無内容な形容詞、副詞ばかり。話の内容がさっぱり分からない。ああ、この人、聴衆を引き付ける話術を持たない人なんだなとしみじみ思いました。

 岸田は候補者の中では、抜群に人柄の良さそうなところが見えます。でも、人柄の良さだけでは政治はできないんですね。かつて安倍に禅譲をほのめかされて総裁選出馬を取り止めたことがあります。これが彼の人生最大の”汚点”でした。政治の世界に禅譲などないことは、岸信介禅譲論、福田赳夫の約束など自民党の歴史が証明しているのですが、学んでなかったか。こういう”善意”の人がよくも海千山千の外交の場で長く外相を務めてきたなと今さらながら驚かされます。

 まだ、出馬するかどうか分からないですが、石破茂も永田町、霞が関ではあまり評判良くないですね。小生の知り合いの議員秘書に聞くと、彼は決断ができない人と見られています。ある役所がある政策についてさんざん検討した結果、条件を絞って「先生、A案とB案がありますが、どちらにしますか」と石破に華を持たせようと聞くと、彼は「こういう可能性もある。C案はないのか」などと言って決断せず、先延ばしを図るだけとか。今回の出馬についても、端から「出馬したいので、同志を募りたい」と言えばいいものを、いろいろ考えるみたいな、煮え切らない態度を示しています。

 政治家というのは、橋下徹さんみたいに自分の意見、持論を補強する論と反対意見をつぶすだけの論を展開すればいいのであって、A案はこうだ、B案だとこうなるみたいな評論家的な意見は要らないのです。彼の話を聞いていると、物事全体のブリーフィングを聞いているようで、記者には話の中身が整理できて有難いけど、聴衆にはアピールしないのではないか。こういう能書きを垂れているだけで決断の遅い人では、他の議員が支持したくともできなくなりそうな気がします。

 その点では、河野太郎は発信力があると思います。言葉が明瞭、しかも政治的なスタンスもタフ(対外強硬的)なところがあるので、大衆受けします。現時点では国民人気が一番高いという世論調査結果が出ていますし、今、岸田や石破などより一番総裁、総理に近い人なんでしょうね。ただ、議員秘書たちに聞くと、彼は議員仲間でそれほど評判は良くない、しかも官僚に対し上から目線での命令調で嫌がられているそうです。決定、決断はできそうですが、イージスアショア計画を突然中止したりと根回し抜きの独断専行のところもある。彼が総理になっても長続きはしないというのが大方の見方です。

 高市は自書で男好きを公言し、なんかギラギラした雰囲気がありますが、小生に言わせれば、肉食系で結構、むしろ、異性を求めようとする気持ちがなれば政治のパッションなんて生まれないと思っています。それはともかく、彼女の政治的なスタンスは安倍前総理も支持するように非常にタフです。これは確実に自民党支持者の3分の1を占めるという保守系コア支持層に受けるでしょう。

 だが、単なるアジテーターではない。小生も彼女に関わるユーチューブを見たし、テレビでその論を聞いたことがありますが、実に政策に詳しい、よく勉強しています。恐らく、総裁選告示のあと、候補者同士の討論会がありますが、政策論を闘わせると、だれも高市にかなわないのではないか。ですから、告示後に高市人気は一段と上がると思います。それから、彼女の強みは、当選すれば初の女性総理になること。これは総選挙には大いにプラスに作用するでしょう。議員が当選第一を考えるなら、岸田対枝野、河野対枝野、高市対枝野の対立の構図でどれが一番良いかすぐに分かるはずです。

 上の写真は8月末の靖国神社ルソン島で亡くなった叔父が祀られているので、参拝してきました。靖国神社のあと戦没者墓苑に向かって桜並木の歩道を歩いて行くと、驚くことに暑さ対策の水蒸気が噴霧されていました。そこまでやる必要があるのか。