つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

横綱白鵬と大谷翔平選手の共通性の有無

 横綱白鵬相撲協会に引退届を出すようです。というニュースが昨日、飛び込んできました。優勝45回もした大横綱ですから、本来なら大ニュースなのに、どうもメディアの扱いは冷え冷えとした対応です。理由はいろいろあるでしょうが、横綱審議会委員長が指摘しているように、その態度にあるのでしょう。一方、メジャーリーグ・エンジェルスの大谷翔平選手が昨日、投手として登場、7回まで投げて1失点としてゲームを作ったものの、勝ち星が付かない。さらに打者としても四球が多く、何だか”冷遇”されている感じがします。

 このブログでも再三書いてきましたが、日本の大相撲は伝統文化に裏打ちされたものですから、やはり外国人力士が入るのは好ましくないと小生は思っています。白鵬の土俵入りを見ていると、どうもせり上がりの時の手の動きが横綱の成りたてのころと変わっている。モンゴル相撲の儀式を部分的に取り入れているのかも。それは小生が言うのでなく、多くの評論家も指摘していました。身は日本にあって日本国籍を取っても、出身国を忘れまいとする白鵬の矜持の表れなのでしょう。で、外国人力士を受け入れている以上、認めるしかないのでしょうが、正直小生はあまり感心しません。

 白鵬の問題は土俵態度にもあります。再三指摘されているように、横綱にあるまじき立ち合い時のエルボーアタック、猫だまし、さらには行司や審判員の判定を不服として土俵に上がらなかったこと、優勝した時の派手なガッツポーズ、土俵脇のインタビューで勝手に万歳三唱したりなどなど、やりたい放題。大相撲は今、大横綱の自分中心に動いているのだから自分式、モンゴル式に変えてもいいと思っているのか。ですが、大相撲はあくまで日本のもの、横綱には伝統に基づく品格が求められます。思うに、彼は究極のところで、相撲文化を理解していないんでしょうね。

 やはり異文化の中で育った者が大相撲の世界に入ってくるのは、長い目で見ると相撲の文化伝統を壊してしまうし、相撲人気を損ねてしまいます。大関横綱まで行かないその他大勢の関取なら、それほど注目されないから外国人もいいのでしょうが、朝青龍白鵬という優勝回数が半端ない数になると、注目度が増し、どうしても一挙手一投足が見られてしまう。そこで、日本の伝統文化からずれた態度を示すと、相撲を愛する日本人はちょっと嫌な気分にさせられます。モンゴルやサモアスタイルを取り入れた大相撲など見たくないので、外国人力士の規制ないし廃止をしてほしいと願っています。

 白鵬の対比として大谷選手を持ち出すのは恐縮ですが、日本人は今、彼のホームラン王と投手として10勝以上の勝ち星という大記録達成を願い、固唾を吞んで見守っていいます。つまりベーブルース以来の2桁勝利、2桁ホームランですが、彼がバッターボックスに立つと、敬遠の四球、デッドボールが多く、まともに打たせてもらえません。投手としても、9勝を挙げ、もう一つの勝ち星で2桁なるのに、なかなか達成できない。これまで2試合ほど7回くらいまで投げ、確実に勝ちが付く状態であるのに、味方打線が打たず、勝ち星に恵まれませんでした。

 うがった見方をすれば、ベースボールは米国の伝統スポーツ、そこに東洋の小国から来た若者が祖国の偉大なレジェンドであるルースの記録を塗り替えるなど飛んでもない、させてはならないという米国民の無言の圧力があるのかも知れません。大谷登板の時に打たないエンジェルス選手も無意識にそう考えたりしているのかも。その意味では、白鵬と大谷は圧倒的な能力を持ったが故に注目され、国技と言うべき伝統スポーツの中で”異端視”されるという共通性があるのかも知れません。

 ただ、白鵬と大谷の違いは、大相撲は日本しかない伝統文化に裏打ちされた「プロスポーツ」であるのに対し、プロフェショナルの野球は今、日本、韓国、台湾、さらには中南米と数多くの国に存在しています。野球はほぼ同じルールで、もう確実に国際化しているスポーツです。米メジャーリーグ選手の中にも米国人ばかりでなく、多くの国から来ている現実があります。野球はオリンピック競技に登場しても、相撲がオリンピック競技になることはないでしょう。

 という観点に立てば、大谷がベーブ・ルースの記録を超えてもいいように思います。イチロー最多安打記録を塗り替えた際には、多くのファンがスタンディング・オベーションで偉業を称賛していました。ぜひ大谷も、あと一勝してメジャーリーグを盛り上げてほしいです。2桁2桁を達成するなら、ホームラン王はもういいでしょう。そこまで行くとやり過ぎです。ルースだって、2桁2桁記録の時は勝ち星13勝ですが、ホームランはわずか11本だけでした。45本なんてすでに打ち過ぎです。

 上の写真は、かなり前に野毛山公園で見かけた花。

National Anthem of Israel - Beautiful Version (English Subtitles) - YouTube

 どの国の国歌も感慨深いものがあるが、とりわけイスラエルはいい。二千年にわたって世界各地で流浪の民となっていて、挙句にナチスに数百万人も虐殺されたユダヤ人が祖国を創った時の哀歓がにじみ出ています。