つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

今年は特別に「長谷川伸記念碑」も参拝した

 2022年の新春を迎えました。記者時代からそうだったのですが、毎年年末年始は、まとまって原稿書きをしなければとか、長年読もうと思っていて読めなかった本をしっかり読もうと思うのですが、結局、酒を飲んで、イージーにテレビを見る形になってしまいます。特に、大晦日は大好きな時代劇の番組、ボクシング、それにライジンという総合格闘技の番組があるので、そちらにくぎ付け。1日の朝から昼にかけても仕事は手に付かず、だらだらとテレビを見てしまいます。

 深夜零時を回ったあとの初詣では例年通り、自宅近くの横浜・成田山別院へ。このあと伊勢山皇大神宮に回ろうとしましたが、昨年並ばずに参拝できた皇大神宮は今年、紅葉坂の下の方にも続く長蛇の列なので、あきらめました。道の両側にはテキヤさんも大勢出店していて例年の賑やかさを取り戻していました。小生はこのあと、大岡川の橋のたもとにある「長谷川伸記念碑」も詣でました。長谷川伸とは、「瞼の母・沓掛時次郎」「一本刀土俵入り」「関の弥太っぺ」など人情もの時代小説を得意にしていた作家。小生も時代小説を書いているので、僭越ながらあやかろうと思ったのです。

 彼は、京急日の出駅近く(すなわち小生の自宅近く)で土木業を営む家で生まれたとか。幼くして母親と生別し、学校も満足に行けず苦労した人のようです。「瞼の母」同様に、彼は晩年に母親と再会するのです。小説のように再会時に母親に邪険にされ、「いいさ、おりゃ、目を閉じれば、瞼の裏に優しい母がいるんだ」と涙ぐんだかどうかは知りません。でも、彼の人情ストーリーは泣かせます。ただ、映画で彼の作品に接ししただけで、小説としてまともに読んだことはありません。

 人情ストーリーと言えば、いろいろな時代小説を読みましたが、やはり藤沢周平が絶品です。本人のエッセイ、娘遠藤展子さんの思い出話エッセイ、藤沢礼賛本も含めて全作品に目を通しました。ここで何度か書いたことがあるので重複は避けますが、藤沢作品で「お前が好きな作品を3点挙げろ」と言われれば、一番好きなのが「海鳴り」。所帯持ち商家男女の大人の恋愛を描いた作品です。2番目はやはり「蝉しぐれ」かな。これは多くの人が最高作品に挙げており、映画、テレビでも映像化されており、若者の純粋な心の持ちように胸を打たれます。

 3番目の選択、これは難しいのです。これまでだったら「風の果て」を挙げていたのですが、歳を取ったこのごろでは「三屋清左衛門残日録」もいいなと思うようになりました。「風の果て」は軽輩の出ながら家老までになる出世物語、「三屋…」は引退した藩の幹部が俯瞰的に藩の治政を見、それを通し権力闘争のばかばかしさ、人間の欲、妬みなどの虚しさを訴えています。歳を取ったら、恬淡と生きる、その方が幸せなんだということを思い知らされます。

 上の写真は、グーグルのピンタレスト写真から借用した「笑う犬」、下の方はクリスマス以降も飾ってあった自宅近くの肉屋店頭のツリー。

Ala Pugachiova Milion Alych Roz 1983 - YouTube

Ани Лорак - Миллион алых роз (ДОстояние РЕспублики, 2013) - YouTube

加藤登紀子もいいが、もともと歌っていたロシア人もいい。ですが、曲はもともとはラトビアかどこかの反戦歌とか。