つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

習が出てきた、早合点して申し訳ない

 まず最初にお断りしなくてはならないのは、前回触れた中国事情の件。習近平ウズベキスタンで開かれた上海協力機構サミットから深夜急遽帰国し、その後しばらく外に出なかったので、われわれは北京で政変があったのかと信じてしまったのですが、結果は騙されたということです。習は27日朝の中央テレビの報道で、公の席に出ていることが分かりました。北京展覧館で開催された「奮進新時代」という展示会に26日、他の政治局常務委員、政治局委員、さらには主だった幹部を引き連れて参観している様子が映像で流されたのです。

 著名なチャイナウォッチャーの石平氏は、9月26日早々に発信したユーチューブの彼のチャンネルですでに見通しを明らかにしていました。もともと政変説のネタ元が台湾系の米メディア「新高地新聞通信社」というところだから、信用できないものだと。ただ、新高地の報道のあと、習本人が消えてしまったとか、遼寧で軍司令が置き換えられたとか、状況証拠があったものですから、習失脚はありうるとばかりに、さまざまな米系華文ニュース社が憶測を交えて伝え続け、その情報が独り歩きしてしまいました。

 それを真に受け、お先走った小生もお恥ずかしい限りです。これってあるまじきことなんですが、実は新聞記者によくあることなんです。自分はこうあってほしい、あらまほしいと願うと、すべての状況がその方向に行っているように見えてしまうのです。そこで、やがてそれが真実だと思い込んでしまう。警察には「見込み捜査」というのがありますが、記者にも「思い込み取材」や「信じ込み記事」といったものがあります。

 前回も書きましたが、習は、ゼロコロナ政策で痛めつけられた中国人は言うに及ばず、習がプーチンとつるんでロシアのウクライナ侵攻を後押ししていることから、全世界人民に嫌われていると、少なくとも小生はそう思っています。習が失脚すれば、ロシアのプーチンも危ない。それは2人にとっては悲劇でしょうが、全世界のほとんど人はそう願っており、実現すれば喜ばしいことなんですね。ですから今回、願いが実現しないことに小生を含めて失望感が深い。

 それにしても、権力者っていうのはしぶとい。ゼロコロナで嫌われていると分かっても、経済運営がうまくいかなくても、最高権力者の地位を下りようとしないんですから。厚顔無恥とはこのことか。映像を見る限り、ウクライナが最近、領土を奪還していることから、プ―チンの顔に焦燥感が垣間見える。ウクライナで盛り返され、偽りの住民投票しても地元はもとより、西側諸国は金輪際認めないでしょう。その上、部分動員令でロシア人民は外国に逃げていく。それなのに、依然権力にしがみつくプーチンの狙いっていったい何なのか。

 話を中国に戻します。第19回党大会体制メンバーで開かれる最後の中央委員会、7中全会は10月9日に開かれる。さらには16日開催の第20回党大会まではまだ時間があります。未練がましいようですが、7中全会まであと10日余。何らかの変化があることを期待しています。でなければ、このまますんなり習近平3選ではあまりにも寂しい。他の幹部連中は何をしている、習が目の敵にしている江沢民派はどうした、共青団は自らの権力固めをしなくていいのかと大声を張り上げたくなります。

 上の写真は、群馬県渋川在郷にある水沢観音の境内。下の方は、伊香保温泉のホテル「天坊」で夜出された膳。