つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「プーチンの裸には負けない」と英カナダの両首相

 銃の所持が許されない日本で手製の銃で元首相が殺されてしまうなどという事態をだれが予想したでしょうか。安倍さんは現指導者ではないけれど、大派閥の領袖で影響力は大きい。この事件を見ても分かるように、国家のリーダーはいつも暗殺の危機にさらされているということです。民主主義国家はそれでも暗殺などによって国の体制が大きく変わることはないのですが、独歩高の支配者が君臨する独裁国家はそういうわけにはいかない。したがって、支配者は絶えず自らの権力を守るために暗殺やクーデターの恐怖と戦い続けなければなりません。

 例えば、隣の中国。習近平国家主席は、クーデターの元になる軍隊や警察の幹部をすべて側近の幹部に差し替えてしまいました。特に最近、習は福建省の地方幹部時代に親しかった同省公安局(警察)出身の王小洪なる男を中央政府公安省のトップに据えました。北京衛戍区や北京を守る中部戦区(軍区)の幹部も福建省浙江省にいた時代の部下か関係者ら息のかかった者に替えています。もともと選挙で選ばれていないのですから、権力の正統性はない。だれでも暴力的な力でそのトップを凌駕すれば、いや殺してしまえば、その地位を奪うことができるのです。

 したがって、党中央、国家のトップはいつ何時寝首をかかれるか分からないから、孤独で不安であり、信頼できる身内にガードしてもらいたいと思うのは自然です。1976年の毛沢東主席死去後間もなく起きた四人組逮捕のクーデターは明け方、中南海守衛部隊によってその中南海を舞台に行われました。特に夜間は危ない時刻です。そこで、巷間言われていることですが、指導者は毎夜寝付かれず、それ故に睡眠剤を常用、多用しているようです。中南海で一番よくはける薬はドリエルのような睡眠薬とか。ノー天気の小生には全く縁のない種類の薬物ですが、、。

 習近平は今年7月1日の香港返還25周年記念式典に参列するため、前日の6月30日香港に来ました。もともとは香港で一泊する予定だったのでしょうが、何を恐れたのか、香港政府が用意した30日夜の歓迎大宴会をキャンセルし、その日、隣の深圳まで戻っています。そこで一泊、翌日再度香港入りしたのです。香港ではまったく食事に手を付けず、滞在時間も短時間だったとのこと。対外的には「香港でコロナ感染拡大があるため」などとしていますが、実はコロナでなく、毒を盛られたりするのを恐れたのでしょう。それだけ、独裁国の指導者は注意徹底、用意周到なんですね。

 独裁国の指導者と言えば、ロシアのプーチン大統領にも大柄で屈強のガードマンが4,5人随行していることが最近のイラン訪問でも分かりました。友好国に行くにしてもそうですから、暗殺が怖いのでしょう。今回はその話題でなく、彼がメディアに登場する際、よく上半身裸で乗馬したり、水泳したりする姿を見せ、肉体美の素晴らしさを自慢しているように見受けられること。このナルシストぶりは、小柄な身長をカバーして、この隆々たる肉体がロシアをリードしているので安心して欲しいと国民に訴える意味もあるのでしょう。

 ジョンソン英、トルドー加首相がこのプーチンの行動について、6月末にドイツで開催されたG7会議の席で、やっかみか皮肉かは分からないような形で取り上げています。ジョンソンは「あの程度の肉体などたいしたことはない」とばかりに、「こちらも(すごいから)脱ごうか」と煽ると、トルドーは「われわれも素晴らしい肉体であることを証明しなければならない」「上半身裸で馬に乗ろう」などと応じ、負けん気を示したとのこと。とりわけ年齢が若くハンサムなトルドーは、自身の裸体美を見せる機会がないことへの不満と、ある種それができるプーチンへの羨ましさを感じているようです。

 今、G7国家で女性の指導者がおらず、参加者の中で女性は唯一、EU委員長(首相)のフォンデアライエンさんだけ。フォンさんは見た目控えめな美人といった感じ。それでいながら、ウクライナ戦地に何度も行くなど芯の強さを感じさせるリーダーで、小生も好感を持っています。彼女が2人の男の裸自慢に何と反応したのか、実はそれが一番興味あるところです。

 上の写真は、池袋の駅周辺でも特に中国人が蝟集する北口前の風景。下の方はイタリアの州紹介。まさかイタリアのドラギ首相までが肉体美勝負などとは言わなかったでしょう。