つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ヘルソン奪回まであと少し、頑張れウクライナ

 このところ、ウクライナ情勢が刻々と動いている感じです。同国軍が徐々に被占領地を奪回しており、南部のヘルソン州では州都ヘルソン市近くまで至っています。ロシア軍の司令官が、ヘルソン市域の大部分を占めるドニエプル川西岸からロシア軍が撤退することを宣言しました。レジンスキー大統領は「ロシアがそんなに簡単に撤退するわけない」などとまだ疑心暗鬼。結果を見るには、確かにあと数日成り行きを見守る必要があります。でも、司令官が公式に宣言した以上、その通りになるのでしょう。

 ヘルソンはウクライナにとって首都キーウ、東部ハリキウ、南部オデーサ、西部リヴィウなどに匹敵する大きな都市であり、もしここを奪回できたら、ウクライナ軍にとって画期的な出来事であり、高揚感を一層高めることは間違いありません。心情的にウクライナを支援している西側のわれわれからしても、とても喜ばしいこと。「コングラチュレーション、ウクライナ人民。頑張れ、祖国の完全奪回まであと少しだ」と思わず叫びたくなるほどです。

 ロシアがもしヘルソン市のドニエプル川西岸地区の確保にこだわったら、両国軍が市内で対峙し、恐らく市街戦になるでしょう。そうなると、まだ市内に残っている住民が一番被害を受けることになります。市街戦ではロケット砲、ハイマースなど主に建造物破壊の重砲が使えない、つまり人を標的にするライフル銃や機関銃、火炎放射砲が重点になるので、野戦よりも死者が増えます。ロシア軍がおとなしく市街地から撤退すれば、市民は救われますから、われわれとしても本当に良かったと思います。

 問題は、ウクライナ軍が西岸地区を制圧したあとです。ロシア軍はドニエプル川の東岸地区に三重の防御線を構築していると言います。東岸は断固守りたいという意思表示でしょう。そこから読み取れるのは、ロシアは動員兵の士気の低下から軍隊の弱体化があり、武器も枯渇しふんだんに前線に運べないなどの現実を見て、もうそろそろ”手打ち”がしたいと思っているに違いありません。その時、停戦の前提になるのが前線の位置。ロシアは、ヘルソン州に限ってはドニエプル川を境界にしたいとの思いがあることが感じ取れます。

 ですから、ウクライナにしたら、ヘルソン市、ドニエプル西岸を奪回したあと、次に南部戦線でどう出るかが大きな問題です。すぐに渡河して東岸に攻め下るか、それとも奪回したところの地域で実効支配を強めるのか。攻め下るには、ロシアの西岸支援を封鎖するため川の橋を破壊してしまっているので渡河は容易ではない。西岸の実効支配にこだわれば、川の東南部はロシア軍にますます固められ、後々の停戦交渉で不利な立場に置かれるでしょう。どちらも辛い。ゼレンスキーの出方が注目されます。

 ただ、小生が思うに、自国が侵略されたとき、どの辺で手を打つのかなどと簡単に割り切れるものではありません。もしロシアが日本に攻め込んできた時、北海道はロシアに差し出すから、この辺で手を打ちたいなどと言えますか。中国が攻めてきたら、尖閣諸島どころか沖縄も差し出すので許してほしいなどと言えますか。20世紀は知りませんが、21世紀での主権国家は、そのもともとの領土にこだわり、原状回復を図るというのが常識であると思います。

 以下はウクライナ国歌。聴くたびに泣けてきます。

ウクライナ国歌 Ще не вмерла Україна/ウクライナは滅びず - YouTube

ウクライナ支援コンサートで国歌演奏 NY・メトロポリタン歌劇場 - YouTube

 上の写真は、中国人カップルの結婚式の一幕。お色直しをして再登場してきたところ。上の方は奨学金支給団体「岡本国際奨学交流財団」の理事長夫妻を前に。下の方は、奨学金財団の理事長夫妻、理事(小生)、職員、それから過去に奨学金を受けた仲間たち。