つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

台湾総統選、国民党はいつも田舎臭い候補者ばかり

 台湾の蔡英文総統の任期は来年5月で切れるので、後任を決める選挙が来年1月に行われます。それで、大きな政党の候補者が出そろいました。祭総統の民進党からは現在、副総統を務める頼清徳氏。野党国民党からは現新北市長の侯友宜氏、さらには最近まで台北市長を務めていた民衆党主席の柯文哲氏が出ます。今から当落予想を占うのはいかがなものかと思いますが、どうも頼氏が圧勝するのではないかと思えてなりません。小生の3人の候補者の姿かたちを見た印象だけの判断で、恐縮ですが……。

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(左から、侯友宜氏、頼清徳氏、柯文哲氏の順。いずれもウキペディアの写真。)

 3人の経歴を言えば、侯氏は警察官僚出身。40歳代で警政署長(警察庁長官)に就くほどに仕事ができる男だったのでしょう。頼清徳氏、柯文哲氏の2人はもともと医師で、頼氏が内科医なのに対し、柯氏は外科医。その後に政治の世界に入り、頼氏は台南市長、行政院長(首相)、副総統を歴任しています。柯氏は2期台北市長の地位にありました。という行政キャリアで言えば、3人とも総統になるに申し分のないキャリアなんでしょうね。

 ただ、民主主義下での選挙とは、ミーちゃんハーちゃんまで投票するわけですから、候補者の公約とか、政治手腕とか、実績とかは知らないし、問いません。という意味で、所詮多くの有権者は候補者の所属政党で判断するか、そうでなければ姿かたちの印象で投票するケースが多いでしょう。まあ、こうしたイメージ選挙衆愚政治の根源だと批判する向きもあると思いますが、一定年齢以上の公民皆投票を実施するのであれば、致し方ないこと。ただ、こうした人気投票的あり方が結構ものの本質を突いていることもあり、小生は100%否定するつもりはありません。

 で、改めて3人の姿かたちを見てみたい。医師の2人はそれなりの知性を感じさせ、頼氏は加えて清貧な感じを与えます。柯氏は台北大医学部卒の優秀さを感じさせますが、半面、何か腹に一物を抱える策士の感じが顔からにじみ出ているように思えてなりません。台北市長になれたのは1期目に民進党が支持に回ったためで、彼自身の力ではありません。「国政レベル」では間違っても第3党の民衆党候補者が当選することはないので、まあ、柯文哲氏の印象などどうでもいいことなのですが……。

 それでは、来年選挙で民進党の有力対抗馬になる侯友宜氏はどうか。頭の中身はどうか知りませんが、ぱっと見で判断すると、何か泥臭い、田舎者という印象がしないでもありませんか。本人自身は南部の嘉義市の出身で、ある意味田舎者。新北市というのも、台北市の周囲を取り巻くベッドタウン、純農村地域で、昔は台北県などと言っていました。

 そういう土地柄なら、侯氏のような田舎臭いおっさんが市のトップでもいいと思います。でも、総統とは中華民国という「国」を代表する人なのですから、外国人との付き合いも多い。であれば、もっと洗練された人がふさわしいのではないかと多くの有権者が思うのではないでしょうか。

 前回の総統選で国民党の候補者になったのは韓国瑜という人物でした。彼は元軍人で、新北市議会議員から立法委員(国会議員)を経て、高雄市長を務めた人。頭がはげ、人懐っこい感じが受けて、民進党の地盤である高雄でも圧倒的な人気を博し、当選しました。地方ならそれでいいのでしょう。

 でも、やはり「国」を代表する総統には向かないと、多くからノーを突き付けられました。一見、知性が欠けているという印象があったせいでしょうか。実際、総統選挙の最中、何か品性に欠けるようなことを言って、顰蹙を買いました。侯氏も結局、韓氏と同じ轍を踏むような感じがしてなりません。国民党はもともとエリート集団であるのに、どうして知性を感じさせる候補者を選べないのか、不思議です。

 上の写真はピンタレストの写真ケースから取った柴犬。下の方は自宅の近くで咲いている花。