つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

維新代表の日共不要論は立民との提携つぶしか

 日本維新の会馬場伸幸代表が最近、「共産党なんてなくなった方が良い」と、共産党という政党の存在そのものを否定するような発言しました。これに対し、当の共産党はかなり怒っており、小池晃書記局長は「許しがたい発言」「民主主義を根底から否定する暴論」などと反発してします。岡目八目的に見れば、支持が漸減傾向にあるという何やら自身でも気になっていたことを他人にずばり指摘されたので、怒りの琴線に触れたのか。自身の存在を本当に誇りに思うのでしたら、この程度のことを歯牙にかけるわけはないのですが……。

 日共は現在の志位和夫委員長がトップに就いてすでに20数年、選挙に勝とうと負けようと反省なく、ずっとその地位に座り続けています。さすがにその”長期政権”に嫌気を差し、対外的に批判する党員が出てきましたが、指導部はすぐにこの党員を除名してしまいました。要するに、自らは政府や他党を口汚く批判しても、他人の批判に対しては謙虚になれない政党です。党内民主主義はどうなっているのでしょうか。この一つを見ても、小池氏の「民主主義を根底から否定」という言葉が虚しく響きます。

 自由主義者の小生の考えを率直に言わせていただければ、確かに民主主義国では、自らの思想・イデオロギー以外原則認めないような共産党の存在など本当は必要ないと思います。現在、世界の民主主義国、とりわけ米国、ドイツ、英国のような先進国で社会主義を標榜する政党はあっても、明らかに絶対的な価値しか認めない独裁志向政党の共産党は存在しません。自由と民主主義という考え方とは相容れない政党。それが戦後70数年の歴史の経験を踏まえた上での先進国公民の共通認識なんですね。

 そうであっても、敢えて弁護させていただければ、日本共産党は戦前から侵略戦争に反対してきたという歴史的な思想、行動”財産”を持っています。それはそれなりに高く評価されて然るべきです。加えて、戦後世界の共産党政権の失敗例をいくつも見ながらも、日共にはいまだに国民の2-3%の頑迷な支持者がいるのですから、存在意義はあります。「なくなった方が良い」というのは暴論でしょう。自由な結社を認めている日本で、他の公党の代表が公の席でそんなことを言う必要はないし、余計なお世話です。

 今、黙っていても維新の会への支持が増えており、共産党は岩盤支持層が減りつつあります。そんな時に、馬場氏が何故にこんなことを言いだしたのか。その真意が分かりません。詮索するに、共産党は戦前にスパイリンチ事件がありましたし、戦後の一時期、火炎瓶闘争などで暴力革命を進めたこともありました。馬場氏はそれを強調したかったのでしょう。ただ、衰退しつつある日共の”粗(あら)”を今さらほじったところで、もともと支持者がまったく重ならない維新の会のプラスにはなりません。

 では、なぜなのか?。次期選挙で野党第一党のライバルとなる立憲民主党つぶしではないでしょうか。次の選挙で立民が再び日共と提携するようなことになれば、間接的に立民批判ができるし、同党に悪影響を与えることができましょう。陰惨な過去を持つ共産党とつるむ政党などろくでもないと喧伝したいのかもしれません。でも、右肩上がりの日本維新の会なのですから、もっと余裕を持つべきでしょうね。

 上の写真は、8月5日夕、自宅マンションの屋上で行われた納涼宴会。下の方は同じマンションに住む酒友の可愛い愛犬。メスの13歳で、名前は「チャッピー」。