つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

男性の小便、座ってするのが多数派と実感

 昨日まで3日間、中部から南部の九州を旅行してきました。強い印象として残ったのは、こんなマイナーな観光地までインバウンドが来ているのかということ。別府、湯布院温泉とか、高千穂峡など有名なところは分かりますが、大分県耶馬渓とか、竹田市の岡城址、鹿児島・伊佐市曾木の滝まで来ていたとは、大きな驚きです。九州は中国、台湾、東南アジアに近く、福岡、鹿児島空港には国際便も入っているので、円安を背景にまあ結構気楽に来れるところかなとも感じました。ただ、特徴的に言えることは、かつて大量に来ていた大陸中国人はほとんど見ません。その代わり、台湾人、香港人、さらには東南アジアの人たちが多かったです。

 小生の人生の中で、通過したことがあるが、宿泊していない日本の県が大分、鳥取と2つあり、今回の旅行はそれをつぶすという目的もありました。特に別府温泉はあまりにも有名であるにもかかわらずこれまで縁がなく、長い間のあこがれの地でした。ツアーへの参加だったので、中国語で言うところの「走馬看花(馬上からの花見、ちょっと見る程度)」状態で、温泉はホテル付随の1カ所しか行かず、別府を堪能したとは言えませんが、それなりに楽しめました。

 今回、巡ったところで一番良かったなと感じたのは天孫降臨の地、高千穂峡でした。日本人であればだれでも知る地で、一回は行ってみたいところ。小生にとってもあこがれの地でした。外国人が天孫降臨の神話をどれほど承知しているかは分かりませんが、結構人気があるようで、台湾から来た大勢の団体客と会いました。温暖の地宮崎県ですが、奥深い山岳地域にあるので、周辺は紅葉がかなり進んでいて、渓谷との素晴らしいコントラストを見せていました。ですから、天孫降臨を知らない外国人でも、景観そのもので十分満足できるところです。

 今回ツアーの旅程で意外に感動したのは、作曲家、滝廉太郎の故郷にある大分県西部竹田市の岡城址。ほとんど期待していなかったのですが、現地を訪れると、天候も素晴らしく、小春日和の陽気もあったので、気分良く、遠くに見える久住連山などの山々や近くの紅葉が堪能できました。城址滝廉太郎像の近くに広東語を話す集団がいたので、そのうちの一人に広東語で話しかけ、マンダリンを使って「それほど有名でないこんなところによく来たね。滝廉太郎って知ってる?」と尋ねました。香港人と見られる5,6人のグループのだれも、滝を知らないとのこと。ですから、余計なお世話ですが、「有名な作曲家で、日本人ならだれでも知っているよ」と教えてあげました。

 ツアーで一番の楽しみは同行している、知らない人との交流。特に独り参加の人にはとりわけ興味があります。で、何人かと仲良くなって最後は空港で一緒に食事をするようになりました。そこで面白かったのは、これまたビロウ、下世話な話で恐縮ですが、トイレ利用の方法に話が及びました。「立小便。よくぞ男に生まれけり」などという川柳もありますが、会話した3,4人がそろって家では座って小便をしているということでした。

 小生が「家ではいつも座って小便をしている。だから、外で立ってやると、慣れないのでなかなか出にくい」と話し出したのがきっかけ。実際、酒を飲んだ後などは便器の前で立っているとふらふらするので座りたくなる。それに対し他の人は、家人、特に奥方に文句を言われるとかで、全員が家では座ってやるようにしているとの反応でした。最近の男性は、座る小便派が多数であることを実感しました。でも、ある人は小生とは逆で、「本当は立ってやりたい。その方が出やすいんだ」と嘆く。でも、「トイレが汚れると家人がうるさいんで、仕方なしに」と消極的な”座り派”でした。

 きれいな風景、紅葉の話のあとに本当に恐縮ですが、そんな話をすることによって、また旅の思い出が膨らみます。旅行は風景を見、各地の食事を楽しみ、歴史を知ることでありましょうが、小生にとっては、人間を知ることもまたそれなりに興味深い。2泊目は宮崎市のホテルでしたが、その夜、もう一人の仲間と市内で飲食、最後に通りがかりで雑居ビルのカラオケスナックに入りました。そこのママは鹿児島県南部、薩摩半島出身の人で、これまた70歳過ぎながら魅力的な女性でした。これもいい思い出です。

 上の写真は、鹿児島県伊佐市にある「曾木の滝」の風景。日本のナイアガラと言われているそうです。水量はそこそこですが、落差がちょっと物足りない感じ。