つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本人旅行客が少ない香港、やはり寂しい

 今日夕方、4日間の香港旅行から帰ってきました。実は、今回の旅行の主たる目的は、駐在時代から残しておいた銀行口座を閉じること。駐在を終えてからすでに30年近く、本来は、早々に閉じるべきでしたが、その後も香港の雑誌社に雑誌の定期購読をしていたので、その代金の支払いを小切手でしていました。そのためにどうしても銀行の口座を残しておく必要があったのです。でも今では、支払いがクレジットカードでもできることが分かり、口座は要らなくなりました。

 で、香港到着の翌日、香港島セントラル(中環)の香港上海銀行HSBC)本店に行き、解約の手続きを取りました。必要なものは現時点のパスポート、銀行から送られてきたステートメント(残高証明書)、それから香港駐在時に持っていたIDカード(身分証)。パスポートには顔写真もあり、これだけでも十分小生が「日暮高則」本人であることは証明できると思うのですが、銀行側は念には念を入れて小生の現住所、自宅の電話番号まで聞くのです。さすが、香港随一の英系銀行と言われるHSBCだけに、調査が徹底しています。

 実は小生、最近日本で英語をあまり話していないので不得手だし、特に香港人の話す英語は語尾が途切れるので、聞き取りにくい。かといって香港人の話すマンダリンチャイニーズも南方なまりがあり、これも小生の耳には不十分。ですから、日本からマンダリンが完璧な中国育ちの友人に一緒に行ってもらい、さらに広東語に対応すべく香港の広東語遣いの日本人、日本語の分かる香港人にも来てもらい、万全の態勢を取りました。で、窓口職員との会話は英語が中心でしたが、なんとか小生にも分かり、結果的には助っ人の手助けなしに手続きは済みました。

 単なる少額の口座解約だけなら、それほど面倒でもないし、手続きを取らずともほっとけば自然解約となったのでしょう。でも、実は小生、香港に1万5000ドル程度の米ドル定期預金をしており、さらに80万円くらいの日本円を普通口座に入れていました。そのほか小切手用にいくばくかの香港ドルも。ですから、清算して日本円でキャッシュでもらうと300万円以上になります。金持ちにしてみれば小口の金でしょうが、小生には大金。銀行職員もこれだけの日本円をキャッシュで手渡すには慎重を期したのか、近くの上司を呼び、確認させていました。

 で、解約手続きが無事に済んだので、豪華レストランで3人を招待しようと思って海鮮料理屋で有名な「竹園」に予約しました。竹園はもともとハッピーバレー、そのあとチムサッチョイに移り、さらに今は海産物問屋が多い西環に移っています。まあ、2万円もあれば、相当な料理が食えると思っていたのですが、入ってびっくり、一番頼みたかったロブスターのチーズまぶしとシャコのから揚げがべらぼうに高かったのです。ロブスターはなんと一品だけで香港ドルで900ドル以上、つまり日本円にすると1万8000円もするのです。

 メニューを見た同行者から最初にそれを聞いて小生もさすがにびびりました。これだとシャコも食べ、アワビの煮込み、さらにガルーパ(イシモチ)の蒸し焼きなど定番のものを食べたら20-25万円近く行きそうな感じ。昔香港にいたときの竹園は4,5人行ってフルコースを頼み、ビールをプラスしたとしても一人4000-5000円(日本円)で済みました。あれから時代が30年経過したとはいえ、なんと高くなったことか。でも、一点豪華主義でシャコのから揚げだけは頼みました。これだけで1本600香港ドル、日本円で1万2000円です。

 本当にミミッチー話ですが、シャコも1本だけ。その他は海鮮料理は止め、普通の鶏肉料理などにしましたが、それでも会計は1500香港ドル(3万円)くらい。イヤー、例えば横浜の中華街で3,4人で行っても計3万円出せば、そこそこ豪華な中華メシが食えます。と思うと香港はなんと物価が高くなったものかと感じ入りました。まあ、円安の影響も当然あるんでしょうね。

 香港で、ほとんど日本人の観光客は見かけませんでした。中国大陸も今、デフレ状況にあるので、中間層は収入を貯蓄に回しているようで、これまた大陸人も少ない。見かけるのは西洋人と東南アジア人ばかり。フィリピン人、タイ人が多く、団体で来ているのには驚きました。1980年代、90年代の香港は日本人旅行客が大勢いましたが、今では少ないので、日本語を話す人がいると、ついつい声をかけてしまうのです。

 香港島セントラルで若い日本人女性の2人連れ旅行客がいたので、思わず声をかけてしまいました。昔の香港だったらあり得ないこと。向こうも日本人がいないので寂しかったのでしょうか、声をかけられて嬉しそうにしてました。小生が1972年、最初に東南アジアに海外旅行に出た時と同じような光景。日本人同士、あまりいないのでなぜか懐かしさを覚えるんのです。でも、円安とはいえ、日本人の大勢の団体客がいない香港はやはり寂しい。他の海外旅行先もそうなのか。もうコロナ禍が明けたのだから、もっと海外に出て欲しい。

 以上が香港に行った目的と外的な印象。そのほか、やはり記者魂がむくむくと持ち上がるのか、できる限りの取材をしました。レストランで隣同士になった若者、それから同行の元中国人の親戚との食事で最近の情報を取りました。その辺は次の機会に。

 上の写真は香港で泊まった荃湾のパンダホテル近くのショット。高層アパートと香港のシンボルフラワー「紫荊花」の街路樹はありふれた風景。