つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「顔は履歴書」と言うが、怪しさは顔に出るのか

 今日朝(日本時間)に行われた大谷翔平の会見内容を見る限り、どうやら巨額賭博事件は元通訳の水原一平の”単独犯”説が濃厚になりました。水原がばくち打ちだったこと、巨額の借金があったことも知らなかったとのこと。つまり、大谷は徹頭徹尾被害者であったようです。それでも、何故水原が大谷の預金口座にアクセスできたのかという点については明らかにされなかったので、まだ隔靴搔痒の感があります。いずれにしてもスポーツ界の大ヒーロー大谷翔平がばくちに関わっていなかったと明言したことで、ファンは安心したと思います。

 もし、大谷の言う通りなら、水原は大谷の金を詐取、あるいは窃盗したことになります。日本ハム時代に知り合い、エンジェルス、ドジャーズとずっと二人三脚で歩んできて濃密な関係を築いてきた人に裏切られたわけですから、大谷にとっては青天の霹靂。街を歩いていてある日突然天上から物が落ちてきて当たるような災難で、ショックと言うより虚脱感さえが出てしまうのではないでしょうか。お察しいたします。本当に、シーズン早々のこの騒動が今年の彼の活躍を削ぐことがないよう祈るばかりです。

 ところで、コーヒー店チェーン会社のオーナーで元参院議員のM氏が水原巨額賭博事件が発覚したあと、自身のX(旧ツイッター)でこうツイートしていました。「最も身近にいる人を信用し過ぎるとよく起こること。マスコミは水原通訳を絶賛していたが、私は顔つきから心配していた。側近に何度も裏切られた経験があったから」と。実は、小生の内人も最近、「水原が大谷の通訳で出てきたころから、顔つき、目つきが怪しいと感じていた」と言っています。ちょっと後出しじゃんけん風の後日談ですが…。

 でも、「そう言われてみれば、怪しいと思っていた」という人は少なくないのでは。実は小生もうすうす感じていたのですが、水原の目はいつも正面を向くことなく、なんとなくおどおどした感じがありました。天下の大谷の通訳兼秘書みたいな存在であれば、もっと自信たっぷりな態度を示していいと思うけど、意外にそんな感じがなかったのです。まあ、見方によっては、それは水原氏の謙虚さなんだろうと思った人もいたでしょう。でも目は口ほどにものを言うということわざもあります。

 M氏の言う「顔つき」についてさらに深掘りします。世間に「男の顔は履歴書」という言い方があります。それなりに経験を積んだ人は、相対した人間が生活苦にあったか裕福に育ったかだけでなく、苦労したかしなかったか、教養があるかないか-などを一見で見抜くことができると言います。M氏のように経営上で再三苦杯をなめた人は特にそうで、ある程度詐欺師的な人間、怪しい人をパターン化して類別していることかと思います。それはどこの部分、どういう態度ということでなく、直観で感じることなんでしょうね。

 小生も記者時代、取材相手の話を信用していいのかどうか見極めることに苦労しました。信用して相手の言をそのまま報じれば、誤報になってしまうこともあるので。で、長年の経験からなんとなく「この人、ちょっと怪しいな」という印象は持てるようになりました。といってもやはりだまされることはあります。記者を辞めてからの話ですが、小生は日中企業合弁の仲介した経験があります。中国側企業の社長(総経理)は上海郊外の田舎の人であり、朴訥さに好感が持てたので、日本側企業の社長に強く合弁を勧めました。しかし、結果は中国側企業と社長に誠意のなさが見られ、合弁はうまくいきませんでした。

 水原はまだ40歳直前の年齢。それまでの”人生経験”が顔に出るのかどうかは分かりません。でも、M氏はにはそう見えたんでしょうね。レッドソックスにいた岡島秀樹投手はかつて水原を通訳として雇おうとして止めた経緯があるとか。彼は事前に水原の周辺を調べたのか、それとも直観で怪しいと見抜いたのか分かりませんが…。そんな人間がどうして天下の大谷のところに行ったか。いずれにしても、本当に辛く寂しい話ですが、一般論として他人を100%信用することはできないのかも知れません。ちょっと俯瞰してみるとか、斜めに見るとかの反復認識も必要なことかと思います。

 上の写真は、横浜・伊勢佐木町、野毛で見られる壁画。この界隈は結構壁画が多い。