つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

帰化の前提に日本への忠誠心チェックを

 都知事選の選挙運動期間は残り1週間、佳境に入りました。候補者は50数人出ているのですが、メディアで持ち上げられるのはもっぱら4人の候補者のみ。まあ、正直言ってこの4人以外に大量得票しそうな人はいないので、しょうがないと思いますが、前回選挙で18万票も取った日本第一党桜井誠氏らにすれば、この不公平を憎たらしく感じていることでしょう。ユーチューブで見る限り、桜井氏の演説は迫力があるし、聴衆に訴える力があります。ただ、外国人排斥のヘイト系演説だけでいいものかとは思いますが…。

 元航空幕僚長田母神俊雄氏の演説もそうですが、外国人を入れるな、優遇するなという点が強調されています。苦労して生活している日本人の母子家庭には大した支援もないのに、外国人優遇とはなんだというご指摘はごもっとも。神戸市では入国した直後の中国人が生活保護を申請、その後に受給が開始されたと桜井氏は非難しています。入国直後というのが事実とすれば、小生も問題ありだと思います。日本人が中国にいても一切そうした恩恵を受けることはないですから、これは国家間の相互主義に反するものでしょう。

 一般論で言うと、外国人排斥というのは分かりやすいし、共感を受けやすいんですね。欧州の右派政党も今、アフリカの黒人やイスラム系の中東からの流入者に対し厳しい規制を設けるべきであると主張し、白人系国民の支持を受けています。欧州では、かつてアフリカ、中東を植民地にしていたので、そういう国の人々がかつての宗主国に向かう流れはある意味必然かも知れません。しかも、欧州の大国側も彼らを体のいい肉体系の労働者として歓迎し、利用してきたところがあります。

 問題は、そうして欧州に入った労働者がもう祖国に戻らないこと。英国、フランスにはかなりの黒人がいるし、ドイツはかつて好況の時代に労働者不足を補ったトルコ移民がそのまま居ついています。利用するときだけ利用して必要なくなったら帰れと言われても、そうは問屋が卸さない。先進国であればあるほど彼我の賃金差、生活格差などを考えて、いったん豊かさを味わった人たちが貧しい祖国などに戻るわけがありません。これも否定できない事実なのですから、外国人労働者を利用した国家は甘んじて受けなければならない現象でしょう。

 で、小生の考え方ですが、小生は単純な移民、外国人排斥には反対です。いったん必要性を感じて受け入れた人たちなのだから、粗末に扱うことはできない。彼らが望むなら、そのまま定住を受け入れるべきであろうと思います。小生は奨学金財団の理事をしていますので、奨学金を受けた留学生が大学を出た後そのまま日本に残り、仕事をしている人を大勢知っています。彼らは確実に日本の力になってくれていますから、むしろ大歓迎。人口が減っている日本であるならなおさら。とりわけ優秀な人材を確保しておくべきです。

 幸いと言ったらへんですが、今、中国では極端な社会主義政策、独裁体制、自由のなさ、息苦しさがあり、それを嫌って海外に逃亡する人たちが後を絶ちません。であるなら、日本は積極的に中国の人材を引き取るべきでしょう。世間では今、中国の金持ちが日本の土地を買ってけしからんという声もありますが、そういう金持ちもいろんな形で投資をしてくれ、日本に貢献しているのですから、大歓迎すべきです。

 ただ、問題はやはり外国人が帰化する時のこと。今、日本で長期滞在する人が帰化する場合は、日本への忠誠心を求められていません。求められるのは、一定期間の滞在とか、日本人と結婚したとか、日本の然るべき仕事に就いているとか-客観的な条件だけです。やはり、日本という国に対する精神的な部分、忠誠心が必要だと思います。米国にはそういう忠誠心を問うイベントがあるし、場合によっては兵役も課す。が、日本にはない。

 ですから、小生の提案ですが、帰化を希望する人には一定期間、自衛隊の災害救助隊に入ってもらうとか、警察、消防などの公的機関で働いてもらうなどのキャリアを義務付ける。その後に、裁判所の裁判員のような一般人から選んだ”評議員”が彼らの働きぶりを見て帰化を決めるというのはどうでしょうか。

 上の写真は、わが家の近く掃部山公園にある井伊直弼像、下の方は野毛山公園内にある佐久間象山顕彰碑。横浜はなぜか江戸時代末期に開国に尽力した人が高く評価されている。さすが港湾都市の面目躍如。