つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

各戸2枚という「アベノマスク」は天下の愚策

 全家庭に一戸当たりマスク2枚配給という「アベノマスク」政策に、国民の多くが拍子抜けしたのではないか。家族3人、4人以上いる家庭では家族全員に行き渡らない、しかもマスクは洗ってもせいぜい1週間しか持たない。それで、費用は総額200億円かかるとのことだから、投資効果はなさすぎる。この発表を受けて、テレビのワイドショーなどのコメンテーターにも「なんと浅はかな対策や。もっと効率的な金の使い道があるやろ」との意見が多かったですが、恐らく大喜びした国民は皆無でしょう。

 われわれはマスクを買う金がないわけでないので、ドラッグストアできちんとマスクが売られていて、いつでも手に入る状態であれば、それでOKなのです。いや、本当になくて困るのであれば、マスクなどさまざまの工夫で自分たちで作ることもできます。200億円を有効に使おうとするなら、各家庭に配布などを考えずに、マスク製造メーカーに増産を促すための資金、あるいはマスク製造に新規参入する企業のための初期投資金に回すことはできなかったのか。

 各家庭配布というのは、厚生労働者だか、内閣府だか知りませんが、官僚が考えた案だとか。こんなアイデアしか思いつかない官僚も官僚なら、この天下の愚策を採用した安倍政権も情けない。今は大変でも、将来のために有効に金を使う、つまり一時しのぎのために金を使うのでなく、きちんと安定的な供給態勢を整備するために金を使うべき。今こそ、小林虎三郎の「米100俵」精神を蘇らせる時です。安倍さんは、国会の所信表明演説でこの精神を持ち出した小泉政権の一員ではなかったか。

 口さがない街中のすずめは、「安倍首相はマスクを国民に配るよりは、むしろ、全部、奥方に渡して彼女の口を封じたらどうか」とか言っています。となると、「アベノマスク」でなく、「アベアキエノマスク」ですか。言論の自由のない国家では、よく抗議行動の一環として、白いマスクをし、その上に「✕」マークなどを書いたりする光景が見られますが、余計にしゃしゃり出て夫の足を引っ張る安倍夫人には、その「✕」マスクがふさわしいのかも知れません。

 それにしても、世の中、社会活動、イベントがないとなんとつまらないものか。新聞を読んでも、テレビのニュースを見ても、コロナ、コロナのオンパレードで、見る気がしない。特にスポーツニュースは、イベントがないと、選手のインタビューとか、過去の話題ばかりだから、見ていて新鮮さがないし、面白味がない、味気ない。あ、味気ないなどという言葉を使うと新型ウイルス陽性患者に間違われそうだ、くわばら、くわばら。

 でも、味気ない、臭いが感じられないという藤浪晋太郎投手ら阪神選手の初期症状コメントは大きなインディケーションでした。小生もそのあと、コーヒーを飲んだり、辛いものを食べたりした時、味やにおいに敏感になりました。昨日も桜木町駅前の重慶飯店支店で「マーボドーフ」定食を食べましたが、辛さを実感しました。辛さがのどを刺激して思わずせき込んでしまいましたが、これも必要以上にやると周囲から白い目で見られる。くわばら、くわばら。今のところ、臭いも味も感じられるし、毎日朝測る体温も6度台をキープしているので安心です。

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 上の写真は、小生自宅近くの野毛のイタリアレストラン入り口にある「真実の口」。ついにイタリア声援のマスクも着けられた。オードリー・ヘップバーングレゴリー・ペックもびっくり。

新型コロナウイルスとベトコンの共通性

 その昔、米軍がベトナム戦争を戦っていたころ、現地に派遣された兵士に精神異常を来すケースが多かったと言います。というのは、彼らが戦っていた相手はベトコン(民族解放戦線)という神出鬼没のゲリラ。彼らは軍服を着ているわけでなく、普段は農民や一般の町の人となって紛れている。米軍兵士はベトコンがどこにいてどこから攻撃を仕掛けてくるのかは分からないから、その分、ものすごく神経をすり減らし、精神的に参ってしまうのだそうです。

 国の正規軍同士ではなく、国軍の兵士がゲリラ、テロリストなどと戦う形態は、軍事専門用語で非対称戦争などと呼ばれています。これは、新型コロナウイルス蔓延の今の状況に似てないでしょうか。ウイルスは目に見えない。でも確実にどこかに潜んでいる。そして、警戒心を怠る者を中心に、空気に紛れて攻撃(感染)を仕掛けてくるのです。まさにベトコンと一緒。ベトコン(ウイルス)側からは敵(一般市民)が見えるが、こちらからは識別できない。ですから、こちらは最大限の注意を払いながら、彼らの攻撃をじっと待つしかないのです。

 ベトナム戦争当時、この見えない敵に囲まれて、米軍兵士はどうしたか。死の恐怖がある以上、精神に異常を来します。その恐怖心を忘れたいためにかなりの兵士が麻薬、マリファナに走ったようです。戦争と薬物は切っても切れない関係にあります。今回のウイルスとの戦いも、習近平中国国家主席の言葉を借りるなら「人民戦争」という戦争ですから、世界的に麻薬や違法薬物が増える素地を作ってしまったのかも知れません。

 麻薬、マリファナなどは非合法である限り、一般市民には無縁な存在。では、恐怖心を忘れるために、われわれには何があるか。平たく言えば「飲む、打つ、買う」「歌う、踊る」なんでしょうが、これも小池都知事が言う「ナイトライフの自粛」でますます届かぬ存在となってしまいました。競馬や競輪などの公営賭博は開かれ、辛うじてネットや電話での投票券購入が可能なようですが、博打嫌いの小生には何の慰めにもならない。であれば、今は家でじっと独りで酒を飲むしかないのでしょうか。

 感染への恐怖心が募ってくると、人によっては、その待つ時間が耐えられないので、いっそ早く感染してしまいたいと思う人もいるそうです。「間もなく日本でも医療崩壊が起きる。感染があとになって入院しても、その時は十分な治療が受けられない。しからば、ベッドと医療機器があるうちに一刻も早く」と冗談半分に言う人もいるそうな。そんな冗談が出てくるというのは、もはや一般市民にパニック感情が醸成されてしまっているのかも知れません。

 いずれにしても、闇に紛れたベトコンがいなくなる、つまり目に見えないウイルスの活動が終息しない限り、われわれの気は休めそうにないのです。ワクチンと特効薬が早く欲しい。

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 上の写真は、岡山県津山市の道の駅「久米の里」にあった巨大なモニュメント。モビルスーツとか。

ノー天気な首相夫人の行状追及はもういい

 安倍首相夫人の昭恵さんがコロナウイルス蔓延で自粛要請されているこの時期に、複数の芸能人と花見の宴を開いていたことが問題視されています。世間一般常識的に見れば、政府が国民に自粛ムードを求めている中でそれをぶち壊す行動で、またまた夫の足を引っ張っている感じ。ですから、テレビでは「安倍アキエでなく安倍アキレだろう」とか「ファーストレディーでなく、ワーストレディー」とも揶揄されています。

 森友学園問題では、首相が国会答弁で妻の行動をかばったばかりに財務省が決裁文書を改ざんせざるを得なくなり、職員の自殺事件まで引き起こしています。それで本来なら、奥方は今春くらい自粛していてもおかしくないのですが、全然懲りてないようです。もともと大会社社長のお嬢様で、世間知らずの人と言われていました。良く言えば天真爛漫、天衣無縫。悪く言えば、ノー天気、自らの立場が理解できない単なるおバカさんなのかも知れません。

 奥方の花見の宴について、安倍首相は国会での答弁で、宴会が行われたのは(自粛要請のあった公園などでなく)レストランであり、宴会のあとたまたま庭で桜をバックに記念撮影したものと弁解していました。それが事実とすれば、本来それほど問題にすべきことでもないでしょう。でも、奥方は世の中の自粛ムードが分かっているなら、桜をバックにした集合写真を撮らせるべきでないし、たとえ誰かが撮ったとしたら、決して外に出さないで欲しいと念押ししても良かったのでは。今年の桜の集合写真も、例年春の「桜を見る会」の時と同じように考えていたとしたら、浅はかです。

 それにしても、安倍首相は奥方の話になると、なぜいつもむきになって反発するのか。森友問題では「事実なら私は首相どころか国会議員も辞める」とまで極言したし、今回も「レストランだ」「まだ正式な自粛要請の前だ」などとぐだぐだと弁解しています。愛妻家であることは分かりますが、弁を尽くして(詭弁を弄して?)かばい過ぎると却って墓穴を掘ることが分かっていない。小泉元首相が「人生いろいろ、会社もいろいろ」とはぐらかしたみたいに、もっと軽く対応しても良かったと思います。

 一方、ノー天気な首相夫人の行状について、鬼の首でも取ったみたいに質問する野党議員の愚かさも際立ちます。森友問題は財務省の土地売却が絡んでいるので、取り上げるのはまだ良しとしても、今回の芸能人との花見の宴”追及”は夫人の単なる常識のなさを暴露し、イメージ落としを狙いとするだけの悪意あるものに過ぎません。ですから、国会の質問にはなじみませんし、こんな問題を取り上げる議員の品性を疑います。

 国民民主党原口一博議員は会派の会合で、内閣不信任案を議論した時に「コックピットにお猿さんが乗っていたら、降りろと言いますよ」と言い、安倍首相は猿と同等との見方を示したそうです。仮にも日本国のトップを猿扱いとは随分ひどい例えようです。なら聞くが、そういう貴殿らが政権を取っていた時の鳩山某元首相はどうだったのか、民主党政権のトップは猿ではなく、まともだったのか。天に唾するという言葉、ブーメラン現象があることを知っておくべきでしょう。

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 上の写真は、ハンガリー・ブタペストの街角で見たカップル。

クロブシャーは4年後選挙にかけたのでは

 米国は今、新型コロナウイルス蔓延問題でしどろもどろになっていますが、本来ならこの時期、大統領選挙がどうなるかという話題がトップを占めるころです。すっかり影が薄くなってしまったけど、民主党の候補者選びは続いているんですね。で、どうやらジョー・バイデンが代議員を多数取って優位に立っているので、バーニー・サンダースは近い将来指名争いから下りそうな雲行きです。結局、落ち着くところに落ち着くといった感じですか。

 小生は、前回大統領選でヒラリー・クリントンとの指名争いをした時から、サンダースという男、どうも好きになれませんでした。さまざまな移民が新しい可能性を求めてやってきて、その環境を保障すべき新大陸の米国で社会主義が通用すると思っているのか。単一性の強い欧州などの国家とは違うことが分かっていない。米国は自由主義であるから、アメリカンドリームを達成できるし、逆に乞食になることもある。個人の資質がすべてを左右する場、そういう国だから逆に魅力的なんです。

 次から次と外国から人が集まり、人口増加する移民国家の米国で皆保険などできるわけがない。EUは今、それに気づいたから移民、難民の受け入れをストップしたのです。人道主義に基づけば、こうした民を受け入れるのが本来あるべき姿なんでしょうが、EU諸国民は、これ以上人口増になると、欧州の伝統的な福祉社会が壊れるとの危機感を持ち始めたのです。反移民の極右政党も出てきたのがその証で、全体に拒否感を強めています。

 米国の国の成り立ちを見ると、17、18世紀に政治的、宗教的、人種的に欧州の枠組みから逃れたい人が新大陸に移って作った国です。だから、欧州と同じシステムなど作り得ないのです。そういう意味で、米国にもともとサンダースを受け入れる余地はなかった。米民主党社会主義政党ではないので、一部若者がそれを追求したところで、徒労に終わるだけ。結局、中道で無難のバイデンが出てくるのが自然だったのです。

 同じ中道にピート・ブテイジェッジがいましたが、民主党、いや二大政党ともにまだ同性愛者を大統領候補として受け入れる素地はない。米国通の友人は、中道で女性のエイミー・クロブシャーを買っていましたが、伸び悩みで中途で断念しました。ですが、これは恐らく彼女の長期的な戦略に基づく動きでしょう。どうも今秋はトランプ再選が動かないと判断し、4年後の次回選挙に期待したのだと思います。

 となると、彼女は今後、どういうスタンスを取るのか。もちろん上院議員のままで行くのでしょうが、その前に名を売るチャンスとして、バイデンの副大統領候補として指名されたら、受けるのではないか。副大統領候補となったら、次回民主党候補者選びで優位に立てます。バイデンは、副大統領候補者を女性にすると宣言しています。となると、エリザベス・ウォーレンも可能性がありますが、小生は贔屓目でクロブシャーが選ばれると見ています。

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 上の写真は、横浜・野毛の飲み屋街にあるイタリアレストランの「真実の口」。映画「ローマの休日」で有名になりました。今、イタリアはコロナウイルスで封鎖状態になっており、残念ながら、現地の本物には近づけそうにないのですが、、。

自粛の10カ月後はベビーラッシュか

 その昔、ニューヨークで大停電が発生、しばらく続いた時、事後にどういう現象が起きたのか。その10カ月後にベビー誕生ラッシュが起きたというのです。人間が自粛して家に閉じ込められると、必然的に家族愛が増す。特に、若い男女は愛情の確認に走ることにになりましょう。いやもっと露骨に言えば、愛情の確認のためのメイク・ラブとなります。中には、他に時間をつぶす選択肢がない、することがないのでと言う人もいるのかも知れませんが、、。

 文明国は近年、屋外のエンターテーメント、室内のコンピューターゲームと享楽の種はいくらでもあり、直の人間関係に目を向けなくなりました。デートしている男女が傍にいるのに声を出して話さないでラインで会話したり、2人それぞれが別の第3者と電話したり、ラインしたりするケースも見られます。人間同士が顔を見て、目を見て話す機会がなくなっているようです。ですから、自宅での自粛というのは、改めて家族の関係、人間関係を問い直すには良い機会だと思われます。

 経済を発展させるには人口増は欠かせない。自粛要請で男女の営みが増し、10カ月後にベビーブームが起きたとしたら、日本のような少子化に悩む国は喜ばしいことです。まだ結果が出ない段階でのばかな予測と言われかねませんが、恐らくそうなると思います。いや、思いたい。哲学的なことを言うのは好きじゃありませんが、コロナウイルス騒ぎは神が人間に与えた試練であると同時に、人間にさまざまなことをさせる、考えさせる神聖なる機会になったのかも知れません。

 政府や埼玉県から自粛要請がある中、さいたまアリーナでK-1のイベントが”強行”開催されました。主催者側によれば、マスクを着けさせ、アルコール消毒し最大限の感染防止対策を取り、事後トレースできるよう住所、氏名も報告させたと言います。小生は再三書いているように、過度の自粛は反対の立場ですから、K-1主催者側がそれだけの注意をしているのなら、開催しても良いのではと思っています。むしろ、主催者の英断を評価します。

 テレビニュースを見ていたら、感染者が多かった北海道では一定の歯止めがかかったようで、自粛緩和に動いていますし、首都圏でも八景島パラダイスが開園したそうな。子供たちも自宅で遊ぶことにうんざりしているのでしょうから、徐々に元の状態に戻るのは結構なことかと思います。目に見えないものを必要以上に恐れてはいけません。マスク、アルコールでしっかり防備し、健康維持で免疫力を確保すれば、それほど恐れることはないと思うのです。

 K-1と同じように、プロ野球はじめサッカーもバスケットも周到な対応で開始したらいいと思います。要は感染を防止すればいいのですから、場合によっては入場者数を制限して1メートル間隔を取ってもいいと思います。何でもかんでも、集まることは禁止、イベントは開かせないでは社会活動が成り立たないではありませんか。春になった今こそ、最大限注意しながら、書を捨てて街に出ることが必要かと思います。

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 上の写真は、世界遺産にもなっているチェコチェスキークルムロフの美しい街並み。

白鵬はますます”汚い手口”の相撲になった

 お上の自粛要請に逆らって、小生、昨日も飲み仲間と渋谷の居酒屋に行き、体内のアルコール消毒に努めました。そこで、仲間の一人から「どうも、渋谷に人が戻っているようだ」との感想を聞いたのです。小生は、従来の渋谷スクランブル交差点の混み様を知っているので、それほどでもないなと感じましたが、毎日変化を見ている人は、最近徐々に人が多くなっているのを実感しているのでしょう。

 コロナウイルスにより、世間の人たちに外出自粛ムードが出てきたのが1月末から2月くらにかけてだったかな。あれからすでに1カ月以上も経つと、さすがに世間の人も”自粛疲れ”が出てきている様子。小中学校の休校措置も19日で終わりだし、明日から3連休ということであれば、休日前夜はパーッと暴れたい気持ちになり、盛り場に繰り出したくもなったのでしょう。言われてみれば、なるほど渋谷の居酒屋街も、いつも行く店も一時に比べると、若者を中心に人が多いように感じました。

 渋谷の賑わいはともかく、大相撲春場所は終盤に入って白鵬が2敗となり、無観客の中でもちょっと面白い展開になりました。白鵬は今年の震災記念日(3・11)に誕生日を迎えて35歳に。やはり年齢には勝てないようで、かつての力はなくなっています。その分、”汚い手口”で勝とうという態度が見られます。つまり、横綱相撲の品格がない。彼は日本国籍を取りましたが、一定分野のトップに立つ者の心構えとして、謙虚さ、奥ゆかしさの日本精神には達していないようです。 

 本来、サポーターというのは負傷部分をカバーするために着けるものですが、彼はその右手肘に着けたサポーターで相手の顔面をかち上げにいっています。サポーターを”凶器”として利用しているのです。あれはかち上げというより、プロレスで言うところのエルボーアタックです。ひょっとしたら、あのサポーターの中には鉄線でも入っているのではないのかと疑う人もいます。だとしたら、プロレスで言えば、凶器攻撃、反則攻撃となります。

 12日目の相撲では、相手の正代に張り手を連発しました。張り手は禁じ手ではないのですが、感心しません。所詮非力な下位力士が苦し紛れに繰り出す”苦肉の策”であって、天下の横綱が使う技ではないからです。張り手は、手を真横から出すため、その分脇が空いてしまう。手を振り上げた瞬間、相手はさっとマワシを取って自分の有利な組手になることができるのです。昨日も白鵬の張り手をかいくぐって正代はもろ差しになり、寄り切りました。

 相撲の基本はあくまで脇を締めたはず押し、押っつけ。脇を空ける張り手を繰り出すのであるならば、その打撃一発で相手を失神させるくらいの威力がなければならない。もともと非常に効率の悪い技なのです。歴代の横綱を見て、張り手を武器にしたのは朝青龍以外いません。白鵬朝青龍もモンゴル育ち。かつてジンギスハン、フビライハンらで世界を席巻した気性の荒い騎馬民族の末裔だからなのか、2人には荒々しさの共通性があります。

 日本的美学で言えば、綱を締めるというのは神社と同じ。つまり、神に近づいた存在なのですから、横綱はもっとたおやかに、優雅に構えた受け身の相撲を取ってほしいと思います。そして、それでは勝てない、力を失ったと自身が感じたら、粛々と引退してほしいと思います。

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 上の写真は、ウィーンの美術館で見たクリムトの「抱擁」とピーテル・ブリューゲルの「農民の結婚宴会」。

居酒屋で酒を注文しないとは失礼千万

 ある人が言っていました。われわれは、帰宅すると手洗い、うがいをし、かつ最後に手をアルコール消毒します。アルコールというのは殺菌作用があるそうですから、それならば、われわれは酒を飲めば、それで口に入ったウイルスを殺菌できるのではないか。もっと端的に言えば、酒飲みはウイルスに感染しないのではないか。確かに、この論法は説得力があります。といことで、われわれ飲み友達とは、酒飲みの会に誘う時、「体内をアルコール消毒しましょうよ」と言うようにしています。

 テレビを見ていると、世間の人は驚くほどに外出しない。で、盛り場も、遊園地も、劇場も、映画館も、スタジアムも、どこもかしこも人がいない。せっかく春らしい陽気になり、桜の開花宣言も出たというのに、われわれはまったく浮かれた気分になれません。これでは、サービス産業は全滅です。GDPに占めるサービス産業の割合は7割であり、従業員数で言うと8割くらいになるそうです。であれば、この”強制的な”景気後退で、多くの人が失業し、特に日雇い、アルバイトの人は解雇の危機にさらされそうです。本当に困ったものです。

 小生はこの衰退ムードに一人で反発しています。最近、感染者が増えているという欧州(イタリアでなく中部欧州ですが)を旅行してきたし、帰ってからも、できるだけ外に出て体内のアルコール消毒もしています。勉強会の主幹事から、今年の花見をどうするかという相談があったので、断固やるべしと答えておきました。でも、毎年開催している市谷・九段の土手は、千代田区役所が禁止しているそうで、できないとのこと。屋外なら風が吹き、問題ないと思いますが、役所は自粛ムードを強要します。

 で、久しぶりに他の場所でやることにしました。狙い目は今年は中国人のいない上野公園でしょうが、ここも台東区役所が禁止し、開催不可能。ですから、近くの日暮里、谷中墓地、千駄木界隈の花見にしました。コロナウイルスで世間が盛り下がっている時に墓地での花見とは、また一興。墓地なら、さすがに台東区役所も文句をつけないでしょうし、お墓に眠っている人も喜ぶに違いありません。もともとソメイヨシノとは駒込の染井霊園から始まった桜の種類なので、墓がお似合いなのです。

 われわれの花見はともかく、テレビのワイドショーを見ていたら、最近、居酒屋で酒を注文せず、料理だけ食べる集団が増えているとか。数人の仲間のうち、生理的にアルコールを受け付けない人が酒を注文しないのは分かりますが、全員、水だけ飲んで、黙々と料理を食うという構図はちょっと理解に苦しみます。そんなに居酒屋の料理っておいしいものか。居酒屋の料理って所詮酒の肴でしかないのでは。主役はあくまで酒であろうと思いますが、、。

 ワイドショーでは、酒を注文しない居酒屋の客を許せるかどうかということで、街の声を聴いていました。結果は、賛否半々であったので、小生はびっくり。居酒屋は、それぞれ工夫を凝らし、冷暖房の室内温度も含めて一定の雰囲気を作り、客をいい気分にさせる店づくりをしているはずです。そういう雰囲気を味わう料金も酒代には入っていると思います。飲料、特に酒は店の中で一番利益率が高い商品ですから、客は飲む飲まないにかかわらず、店への感謝の意味で、義理でも一杯の酒は注文するのが礼儀ではないかというのが小生の考え方です。

 飲食店の雰囲気を味わおうとする利用者は、最小限でもその店の効率的な売り上げに協力しなければならない。それができない人、嫌だという人は、スーパーで買ってきたものをだれかの自宅か、公園かで食べればいいのです。露天の花見と同じことをすればいいのです。居酒屋で、グループ全員が酒を注文しないというのは、人の家に招待された時に、手土産一つ持っていかないことに等しい行為だと思います。

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 上の写真は、ベルリンの壁とつながっていたブランデンブルグ門とその門近くにあった土産物屋の飾り。