つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

新型コロナウイルスとベトコンの共通性

 その昔、米軍がベトナム戦争を戦っていたころ、現地に派遣された兵士に精神異常を来すケースが多かったと言います。というのは、彼らが戦っていた相手はベトコン(民族解放戦線)という神出鬼没のゲリラ。彼らは軍服を着ているわけでなく、普段は農民や一般の町の人となって紛れている。米軍兵士はベトコンがどこにいてどこから攻撃を仕掛けてくるのかは分からないから、その分、ものすごく神経をすり減らし、精神的に参ってしまうのだそうです。

 国の正規軍同士ではなく、国軍の兵士がゲリラ、テロリストなどと戦う形態は、軍事専門用語で非対称戦争などと呼ばれています。これは、新型コロナウイルス蔓延の今の状況に似てないでしょうか。ウイルスは目に見えない。でも確実にどこかに潜んでいる。そして、警戒心を怠る者を中心に、空気に紛れて攻撃(感染)を仕掛けてくるのです。まさにベトコンと一緒。ベトコン(ウイルス)側からは敵(一般市民)が見えるが、こちらからは識別できない。ですから、こちらは最大限の注意を払いながら、彼らの攻撃をじっと待つしかないのです。

 ベトナム戦争当時、この見えない敵に囲まれて、米軍兵士はどうしたか。死の恐怖がある以上、精神に異常を来します。その恐怖心を忘れたいためにかなりの兵士が麻薬、マリファナに走ったようです。戦争と薬物は切っても切れない関係にあります。今回のウイルスとの戦いも、習近平中国国家主席の言葉を借りるなら「人民戦争」という戦争ですから、世界的に麻薬や違法薬物が増える素地を作ってしまったのかも知れません。

 麻薬、マリファナなどは非合法である限り、一般市民には無縁な存在。では、恐怖心を忘れるために、われわれには何があるか。平たく言えば「飲む、打つ、買う」「歌う、踊る」なんでしょうが、これも小池都知事が言う「ナイトライフの自粛」でますます届かぬ存在となってしまいました。競馬や競輪などの公営賭博は開かれ、辛うじてネットや電話での投票券購入が可能なようですが、博打嫌いの小生には何の慰めにもならない。であれば、今は家でじっと独りで酒を飲むしかないのでしょうか。

 感染への恐怖心が募ってくると、人によっては、その待つ時間が耐えられないので、いっそ早く感染してしまいたいと思う人もいるそうです。「間もなく日本でも医療崩壊が起きる。感染があとになって入院しても、その時は十分な治療が受けられない。しからば、ベッドと医療機器があるうちに一刻も早く」と冗談半分に言う人もいるそうな。そんな冗談が出てくるというのは、もはや一般市民にパニック感情が醸成されてしまっているのかも知れません。

 いずれにしても、闇に紛れたベトコンがいなくなる、つまり目に見えないウイルスの活動が終息しない限り、われわれの気は休めそうにないのです。ワクチンと特効薬が早く欲しい。

f:id:higurashi-takanori:20180505064928j:plain

 上の写真は、岡山県津山市の道の駅「久米の里」にあった巨大なモニュメント。モビルスーツとか。