つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

米中はもはや一蓮托生

 ちょっと古い話になりますが、昨年12月初旬に米国のポールソン財務長官が北京に赴き、当地で米中の戦略経済対話が開かれました。公にされた内容は、金融危機を受けて、貿易円滑化のための基金を拠出するという点で合意があったとされていますが、会議では、中国側が今回の金融危機に対しどれだけ協力できるかで、米側からかなり激しい要求があったことは間違いありません。
 中国は約2兆ドルという世界一の外貨保有の国で、その半分はドルで米国の各種債券を購入しています。ですから、米国の金融の行く末次第では中国も大きな影響を被るわけで、今や米中は抜き差しならぬ関係、一蓮托生の関係にあると言えます。
 香港誌などは、政治的なフリーハンドを奪われるまでに金融上米国と濃密な関係を持ったことに対して、中国の中央軍事委員会の強硬な軍人メンバーが温家宝首相や国務院を厳しく批判したと伝えています。ですが、保有外貨のほとんどは対米貿易黒字の結果であり、しかも膨大な外貨を国内で眠らせておくわけにもいかず、米国債券を購入するのは致し方のないことでしょう。
 米国債を持つ以上、いくら建前上米国中心のIMF体制を批判してみても、中国としても何らかの対応策を取らざるを得ません。そこで、貿易安定化資金のほか、内需を喚起するために、4兆元の財投の実施を決めたのでした。
 米側は米側でこれまでの戦略対話で、貿易赤字解消のため、ずっと人民元の切り上げを中国側に迫っていました。だが、今回は恐らくこんな要求を持ち出さないどころか、元の切り下げすら容認したかも知れません。なぜなら、短期的に元高は間違いなく中国の景気を後退させることになり、それは米国にとってもプラスには作用しないからです。
 また、経済的なつながりによって、中国の人権問題などにも当分、口出すこともしないでしょう。昨年末に中国で話題になった「08憲章」にブッシュ政権が冷ややかなのを見ても、それは窺われます。いずれにしても、ゴールドマンサックス出身のポールソンが自分と古巣の一企業の利益のためだけに働かないよう祈りたいです。
 下の写真は、銀座のバーで行われたベリーダンスのアトラクション。一緒に飲んでいた仲間がバーのママの知り合いということで、二次会で飲みにいったら、たまたまこのイベントに遭遇しました。観客は意外にも若者が多く、その中には「べリーダンスを練習しています」という女性も含まれていました。