つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

代わり映えしない軍事パレード

 きょう10月1日は中国の国慶節です。テレビのニュースを見ていたら、軍事パレードの映像。胡錦濤国家主席が中山服姿でオープンカーに乗り、立ったままの姿勢で閲兵、将兵に「ニーメン、シンクーラ(諸君、ご苦労)」と言っていました。これを見て中国も代わり映えしない国だなとの印象を持ちました。
 そう感じる第一は、胡錦濤主席のかけ声。1984年の軍事パレードの閲兵で、訒小平氏が「ニーメン、シンクーラ」と言ったが、このあと建国50周年に当たる1999年のパレードでも江沢民氏が同じような言葉をはいていたように記憶しています。ワンパターンのこの表現は、自分も訒小平並みの指導者だと自慢したいためか、それともパレードではこの言葉しか言えないからか。「祖国の防衛のため尽力する諸君に敬意を表する」などの別の言葉があってもいいように思いました。
 それに相変わらず滑稽なのが、胡錦濤主席の中山服姿。普通の会議や外国人との会見のときには背広姿なのに、軍関係の行事のときにはなぜかこの格好。党中央軍事委員会主席であるなら、正式に軍服を着ればいいのではないでしょうか。もともと軍人でないのでそれができないと言うなら、非軍人の党員が軍をコントロールするという意思を明確に示すために、背広姿のままで通すべきです。江沢民氏にしろ、胡錦濤氏にしろ、中山服のような中途半端な服装はなぜか不自然に見えるし、できれば見たくない光景です。
 いずれにしても、軍事パレードというと、北朝鮮のやせた軍人のグーズステップや、旧ソ連赤の広場共産党の中央幹部を前に展開する光景を思い浮かべます。やはり、この手のものは、独裁政権に付きもののパフォーマンスでしょう。経済力を向上させ、一見資本主義、民主主義国家のようなふりをしていますが、本質は何も変わっていないのですね。
下の写真は、ベトナムのモンカイという中国国境近くの町で取材した農家の夫婦。奥さんが”意外”に上品で美人であったことにちょっと驚きました。