つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

市橋は完黙の弁護方針でいいのか

 昔、記者として警察関係の取材もしたことがある人間にとって、テレビなどでいまさら生々しい事件の報道などあまり見たくないのですが、ただ、ニュースを見れば、これでもかこれでもかとやるので、ついつい見てしまいます。その中でも、通っている大学にも近い行徳のマンションで、イギリス人を殺し、容疑者が逃げ回っていた事件は関心がありました。
 あんな事件を起こし、2年以上も逃げ回ることは考えられないので、小生はたぶん、自殺しているのではないかと想像していました。ところが、あにはからんや、関西方面で建設関係の日雇い労働者として、しっかり生きていたという。あの整形の話が出たときに、おお、顔を変えてまで逃げのびようとする根性に、まず感心しましたが、逮捕されたあと、絶食しながら完全黙秘を通しているというのもまたびっくりです。
 市橋達也なる男は往生際の悪いやつであるとも思いますが、なかなか立派という見方もできます。しかし、彼の黙秘の目的っていったいなんなんでしょうか。どう考えても、彼の自宅で遺体が見つかった以上、事件との関連性は逃れられないし、冤罪だとは主張しにくい。逮捕容疑は死体遺棄ですが、常識的には、殺人も含めて彼の犯罪であることは疑う余地はないでしょう。
 普通、1人の殺人であれば、15年未満の有期懲役の可能性もあり、彼の若さからすれば、まだ十分、人生を楽しめるころにシャバに出られるはずです。それなのに、黙秘することで、検察の印象を悪くし、裁判所の印象を悪くしているようです。ある検察官は「死刑もありうる」と言ったそうですが、黙秘はそれだけ重い結果を残すのです。であれば、弁護人は速やかに黙秘を止めさせ、情状による罪の軽減を図ることの方が得策であると市橋に言うべきです。
 ですが、新聞を読んでいる限り、弁護人は、容疑者の意見を聞く形で、むしろ黙秘の正当性を主張することばかりに専念しています。彼が国選弁護人であるとしたら、容疑者の思い通りというのも分かるのですが、もし、自選弁護人であるならば、速やかに弁護方針を転換すべきでしょう。
 下の写真は、上海の定宿L−ホテルのエントランス。ここを見るとなんとなくほっとするような、アットホームの雰囲気を持った宿です。