つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本も中国同様、十分な監視社会なのか

 最近、テレビを見ていると、結構街中の犯罪が監視カメラに写されていたり、道路上の危険運転ドライブレコーダーに残されていたりして、違法行為の明明白白な証拠として放映されるケースが多いように思われます。中国では、顔認証システムが徹底されており、いったん犯罪者らの骨格を認識すると、大勢の中からもその人をポイントアウトすることができます。ですから、ジョージ・オーウェル1984年型監視社会が実現したとの言われ方をされていますが、日本でもテレビの映像を見る限り、結構な監視社会に入ったようにも感じられます。

 以前問題になったのは、道路上での危険運転男。常磐自動車道の高速道路上で煽り運転した挙げ句、走行車線で車を止めて、わざわざ煽った相手の車のところまで来て運転者を殴りつける行動がありました。しかも、煽り男が暴力を振るいに来るところを同乗者の女性が携帯カメラで撮影していたのですが、この一連の動きはすべて被害者側自動車のレコーダーに残されました。

 完全なる映像の証拠であれば、犯行側は言い逃れはできません。被害者の訴えによって、この加害者男女は逮捕されました。以前は、道路上でこんなことがあっても、被害者は泣き寝入りするか、警察に届け出ても喧嘩両成敗的に収められたりしてしまうので、あまり得にならなかったと思います。それが、ドライブレコーダーの出現によって、大きな犯罪として扱われるようになりました。

 日本で現在、何か犯罪が起きると、すぐに近くの電柱や道路信号、商店舗に仕掛けられた監視カメラの映像が集められ、怪しい人物がいないか、チェックされます。そうすると、夜間の出来事であっても、カメラの性能がいいせいか、結構な確率で怪しい人物が写されており、しかも逃亡中の容疑者の姿が多面的に写されることで、犯行、犯人特定の大きな証拠になっています。

 昨年秋のハローウィンの夜、渋谷のスクランブル交差点で何人かのばかな男が軽自動車を倒して騒ぎまくっていましたが、監視カメラの連続追跡によってこれらの男たちが特定され、逮捕されました。日本も犯罪者を十分に追跡できるほど、それだけ街中には監視カメラが張り巡らされているんですね。こういうニュースが放映されれば、街中の監視カメラ、車のドライブレコーダーの存在がかなり認識され、犯罪の抑止力になるように思います。

 でも、最近多発した24時間無人クリーニング店での現金強奪事件では、犯罪者たちは、バールなどで乱暴に機械を壊し、現金収納箱を取り出していました。端からカメラがあることを承知しているようで、完全に顔を隠し、黒装束となって人定できないようにしていました。あるいは、犯行現場に監視カメラがあることを想定し、まずカメラを探し出し、破壊するようなケースもありました。

 それでも、クリーニング店の強奪事件のホシは逮捕されています。あるいは、顔を隠しても分かる骨格認証システムが、中国と同じように日本でもすでに導入されているのかも知れません。犯罪の前歴があれば、警察に雁首(顔写真)は残っていますから、ホシを特定することはそう難しくはないのでしょう。犯罪者の摘発には結構なシステムであると思われますが、よくよく考えれば、われわれの日常生活がそれだけ監視され、完全なるプライバシーを失っているということも意味しています。

 でも、日本では少なくとも、犯罪を起こさない限り、その映像が利用されたり、ましてテレビ登場したりすることはないと確信しますが、中国では”危険な”政治犯、人権活動家は絶えず公安省や国家安全省の監視対象です。これは、公然の秘密になっていますから、いったん中国共産党に弓を引いた人間は一生プライバシーを失うことになるのでしょう。怖いことです。中国で日本人がスパイ容疑で次々に逮捕、拘束されるというニュースを聞くたびに中国に旅行するマインドがそがれていきます。

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 上の写真は、以前小生の自宅マンションから遠くないところにあった打越橋。横浜山手地区のはずれにあって自殺の名所でしたが、今は高い柵があるので”安全に”なりました。