つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

渋谷の殺傷事件で驚いたこと

 先日、渋谷の地下鉄駅構内で53歳の男が車内かどこかでもめた行きずりの男に刺された事件がありました。この犯人は、防犯カメラによってすぐに手配され、その結果、持っていた特徴あるバッグから身元が判明し、逮捕されました。32歳のアルバイト店員とのことです。この事件で、小生は2つの驚きを感じました。
 その一つは、日本の、特に東京の繁華街ではすでに至るところに防犯カメラが設置されているのだなという驚きです。刺して逃げた男は駅やその他のさまざまな場所で写されており、明らかに逃走経路が分かってしまいました。そして、男はさまざまな角度から写っており、風体がかなり明確に判別できるので、人物が特定されやすいです。
 特に今回、青色という特徴あるバッグを所持していたことで、多くの人が「あ、あの男ではないか」と見て、警察に通報しています。たとえ本人が否定しても、有力な証拠となります。これでは、もう少なくとも繁華街、街中では犯罪を起こすことは無理ではないかと多くの人が感じたことでしょう。事件が早期に解決したという結果から、縦横に設置された防犯カメラの設置は、今後かなり犯罪の抑止力になると思われます。
 でも、テレビのワイド番組を見ていると、相変わらず「街中の防犯カメラはプライバシーの侵害ではないか」という紋切型の批判をする人がいます。こういう人間を批判するのもおこがましいのですが、なぜこれがプライバシーの侵害なのでしょうか。
 別に写されたビデオがその後に一般公開されるわけでもない。しかもラブホテルや怪しい場所の隠しカメラでなく、公道、公共施設を歩いている人間を写しているだけです。それがどうしてプライバシーの侵害なのでしょうか。100歩譲ってこれがプライバシーの侵害だとしても、犯罪抑止に役立つのであれば、その方がはるかに有益ではありませんか。
 もう一つの小生の驚きは、犯人の若者が刃渡り30センチのナイフを携行していたことです。彼はこの日、駅でトラブルを起こすことを予期して特別に持っていたわけではないでしょうから、たぶん常時携行していたものと思われます。本人は「護身用」と言っているらしいけど、刃渡り30センチというのは護身用としては異常です。第一、この長さだと柄の部分を含めると40センチ以上になり、普通のカバンには収まりませんし、辛うじて収まるにしてもかなりかさばる感じがします。
 刺された53歳男と刺した32歳男、行きずりの2人にどんなトラブルがあったかは分かりませんが、恐らくナイフを使って相手を重体に陥れるような大きな問題ではないでしょう。軽々しく30センチナイフを使うこんな奴が、街にごろごろいると思うと怖いし、暗澹たる気持ちにさせられます。
 下の写真は、いささか旧聞ですが、花見のころの日曜日、横浜市大岡川の船台上で開かれたベリーダンスのパフォーマンス。