つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

中国の脅しは何になる?

 26日から29日まで上海に行ってきました。合弁会社の関係とその他別のビジネス関係の用事があったためです。上海はもう夏でかんかん照りの状態で、半袖で十分な感じでしたが、小生は風邪気味だったので、長袖シャツの上にサファリまで着込んで用心していました。その結果、上海で風邪は治ったようです。頭の痛いのはなくなりましたから。
 それにしても、中国は経済で自信を深めたせいか、どうも周辺国に居丈高になっています。なんだか今の中国を見ていると、戦前の日本をほうふつさせ、いい感じは受けませんね。中国の新華社系国際紙に「環球時報」というのがありますが、この新聞記事では、例の南シナ海中沙諸島スカボロー礁(中国名=黄岩島)をめぐる争いで現在、中国と対峙しているフィリピンに対し、「お前らは蟻だ。巨象であるわれわれはお前らを踏み潰すのはわけないぞ」と平気で脅迫しています。
 また、他の新聞は「人民日報が『われわれは忍耐に限界がある』と書いたとき、かつて1962年にはその記事のあとすぐに中印紛争があった(中国軍がインドに侵攻した)し、1979年には中国軍がベトナムに攻め入った。今回もフィリピンに対して、『忍耐には限界がある』と書いているよ」と、かつての例を引いて露骨に脅しにかかっています。
 中国贔屓の小生から見ると、たいへん残念な仕儀ですね。かつて孫文が「中国は歴史的に周辺国に王道を示してきた。日本も中国のように王道を歩め」とのたまわって日本の軍国主義をいさめことがあるのですが、現時点では、中国こそ王道を踏み外しているので、日本が中国に対し、まさに孫文と同じセリフを吐きたいところです。南シナ海のわずかな岩礁くらいのことで、「俺は巨象だ。蟻ごときのお前を踏み潰す」という言葉は言ってはならないことです。
 日本の尖閣諸島に対しても、国益に関するから絶対譲れないという意味の「核心的利益だ」という言い方を始めました。中国がなんと言うのは勝手ですが、これで自分で自分の首を絞めなければいいのにと覚えざるを得ません。つまり、日本が尖閣諸島に人を派遣したり、施設を建てたりしたら戦争だぞと脅しているのですが、こんな脅しを受けると却ってそれならこちらは然るべき対応を取るから、やってみろよと言いたくなってしまいます。
 実は今、中国で戦闘に耐えうる若い軍人は80年以降出生の一人っ子世代なのです。一人っ子を戦争に行かせて殺してしまったら、中国の親たちは共産党になんて言うでしょうか。しょせん、他国を脅してみたところで、内部事情から実際動けないものです。第一、俺は巨象、お前は蟻だと言っているフィリピンに対してもいまだ行動を起こしていないではないですか。この時代、軍事力が勝っていようとも、多方面を納得させられるような理由がない限り、おいそれと戦端を開けるものではないのです。
 下の写真は、前回4月初めに上海に行ったときに、夜飲みに行ったカラオケ夜総会でのスナップ。写っている女性は、客の要求に応じてカラオケの曲をセットする係の小姐。今回の上海旅行ではこの夜総会には行きませんでした。