つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

アジア系人種攻撃の標的は中国人か日本人か

 米ミネアポリスで、黒人のジョージ・フロイドさんが警官の不適切拘束によって死亡してから丸一年が経ったということで記念集会が開かれました。でも、こうした事件を見ていつも思うことですが、これって本当に黒人差別なのか。容疑者らしき人が黒人だから、足で踏みつけるような抑え方をしたのか。もし、容疑者が白人だったら、白人警官はあんな行動を取らなかったのか。その辺が小生には分からないのです。やはり、米国では黒人の犯罪率が高いということが背景にあるのではないか、だから警官も過剰な対応になってしまうのではないかなどと、小生は考えてしまいます。

 黒人の犯罪率が高いのは、歴史的病弊が根っこにあることは否定しません。それによって概して貧困状態に置かれ学歴が持てない、良い就職ができないということも承知しています。でも、生活環境が悪いのは不平等な社会が原因だから、犯罪に及んでもいいということにはなりません。もともと米国は、レッセフェール(自由放任)の社会です。貧富の差はたぶんに個人の才能、努力によるものであり、必要以上にこの格差是正に動いたら、硬直した社会主義社会になり、活力を失うということも考えておかなくてはならないでしょう。

 ただ、黒人に限っては、もともと希望に胸を膨らませて、好き好んで米国に移住してきたわけではない。最初は奴隷という形で強制連行されてきたのであって、政府はその責任上、黒人の社会的条件の底上げを図るため多分に介入、是正措置を講ずる必要はあります。フロイド事件のような犯罪が起きるたびに、「差別反対」などという声が高くなりますが、米国人一人ひとりの優等意識、差別意識なんてそう簡単に変わるものでもない。ですから、国家が制度的に黒人の貧困をなくすための策を講じ、社会全体の意識を変えていくことも考えないと。これはレッセフェールに反しますが、しばらくはやむを得ない措置ではないかと思います。

 それはともかく、米国内で今、われわれ黄色人種、アジア系の人間に関わる事件も起きています。なぜだか、街を歩いているアジア系の人間を見ると、やたら暴力を振るう輩が出てきたのです。ニューヨーク市内で見ると、今年に入り4月初めまで、この種の犯罪の発生数が昨年の5倍の多さだというのです。いったい何が原因なのか。一番に考えられるのは、新型コロナウイルスを世界に流行らせた元凶は中国人だということで、彼らを狙った攻撃との見方です。テレビで放映された監視カメラ映像を見ると、襲撃者に黒人も加わっています。となると、単純な人種差別的行動でなく、明らかに特定国家を狙った嫌悪感の発露とも見受けられます。

 トランプ政権時代に、世界に軍事的進出を図り、「債務の罠」で貧困国の利権を奪うような中国の覇権主義的”悪事”が米国内で喧伝され、米政府は中国を標的に政治的、経済的な制裁を加えました。バイデン政権でもその姿勢は継続されています。こうした思潮が一般市民の中にも蔓延しているようで、中国人嫌悪感が増長しているように見受けられます。そこで、中国人攻撃に出ているのか。でも、米国人からすると、中国人も韓国人も日本人も、さらには東南アジア系の人たちも見わけがつかないですから、日本人が襲撃事件に巻き込まれる危険性は大です。

 いや、ある人に言わせると、実は日本人が攻撃の標的になっている可能性もあるとのこと。米ゴルフ界最高の大会であるマスターズで日本人が優勝、テニス界でも大坂なおみ全米オープンなどで勝ち、大谷翔平ベーブルース以来2人目という二刀流の活躍で、メジャーリーグを席巻しています。アジア人種、特に日本人などは一段劣るとひそかに思っていた人たちがこうした光景を見て不快に思っていることが背景にあるという説です。であるとすれば、日本人もそうと分かった時点で襲われる恐れがありますので、困ったものです。今、コロナで米国旅行ができないのがせめてもの救いですか。

 上の写真は、横浜みなとみらい地区で本格的に動き出したエア・キャビン。