つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「南寧」って「それは、何ねぃ?」

 中国に広西チワン族自治区というところがあります。普通の日本人、いやちょっと中国に詳しいという人に聞いても、ほとんど知られていないし、ましてやそれが中国のどの辺にあるかなど皆目分かりません。ところが、「桂林って知ってる」と聞くと、これがまったく逆にほとんどの人が知っているのです。一般の日本人の中国地理理解というのは、やはり点、点でしかないのですね。ま、それは致し方ないのでしょう。
 実は、桂林があるのは広西チワン族自治区という中国の一級行政区の中です。この自治区広東省チベット自治区北京市上海市などと同じ「省」レベルの行政単位です。中国のいちばん南の方(もっとも南は海南省)に位置し、人口は5000万人を超えています。
 ヨーロッパならば、もうこの自治区一つで立派な国になってもおかしくない広さと人口です。その自治区の中心都市、日本の県で言えば県庁所在地に当たるところは「南寧」と言いますが、これまたほとんどの人が知りません。まさに「それは、何ねぃ?」とダジャレの一つも言いたくなる感じですが、南寧は郊外地域まで含めると人口600万人を超える大都市です。
 昨年夏、小生はこの都市を実に約25年ぶりに訪れましたが、その変貌ぶりにびっくりしました。小生の知っている旧市街のほかに、西の方に新市街地が開発され、そこは他の中国の都市に見られないよう広々とした緑も多い都市空間であり、高層ビルが林立する近代都市になっていたからです。今、中国は沿岸部の開発が一通り済んで、開発の重点は内陸に移されています。そういう点では、南寧はトンキン湾に近い(高速道路100キロで港湾都市に接続)ので内陸部とも言えず、ASEAN諸国との近さもあって、中国の他の都市に比べて大きな可能性を秘めています。
 この南寧にはまだ日本企業は数社しか出ていません。もっと生産基地、消費地として見直されてもいいと思うのです。この南寧に日本企業を誘致しようという企業がすでに日本に設立されています。小生は、昨年の取材旅行で知り合ったこの南寧誘致企業の「老板」である中国人実業家のために、何らかの役に立てればと思い、協力しています。
 今、景気が冷え、将来の見通しが立たない日本企業にとっては、発展の可能性が高いこの中国の未開の経済地域にもっと目を向けてもいいのではないかと思います。政治的には中国の圧力は断固排除していかなければなりませんが、経済的にはもっと日中の関係を強めてもいいように思います。いや、もはや中国との経済関係抜きに日本の繁栄は図れないのではないでしょうか。

南寧の企業誘致、ビジネス交流関連サイト
http://www.nihonen.com/nannei.html
 下の写真は、青森のりんご園の風景。