つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

上海万博の日本館、見てきました

 先週から今週初めにかけて、広西チワン族自治区の南寧市を訪れ、その帰途、上海に立ち寄り、上海万博を見てきました。見てきましたと言っても、夜6時からの入場で、わずかに日本館を見ただけです。万博も今月末で終了ですから、駆け込みセーフという感じでの参観でした。
 ご承知のように、日本館は中国館と並んでかなりの評判を呼び、連日3、4時間待ちとのこと。多くの日本人も万博会場を訪れたものの、入場をあきらめた人が多かったそうです。ところが、小生とご一緒したのは、昨年2月当時、経済産業省副大臣として福田康夫元首相とともに日本館の鍬入れ式に参加した元代議士で、彼が経産省に手回しし、なんとか裏口からの入場が可能になりました。
 この日本館の目玉はやはりロボットがバイオリンを引くというところ。下の写真にもあるように、ロボットが器用に指を動かし、見事な演奏をしていました。江原館長によると、日本館が評判がいいのは、ライブのパフォーマンスがあるためとのことで、このロボットバイオリン演奏のほか、昆劇と歌舞伎のコラボレーションもありました。
 日本館全体のテーマは日中友好の深さと重さを強調したものでした。特に、中国から日本に運ばれた朱鷺を主人公にして、両国の関係の深さを表現していました。でも、こうしたものを見るにつけ、昨今の中国の反日デモとのそぐわなさを感じ、白々しさを覚えます。
 圧倒的な多くの中国人が日本館を訪れ、そして手に手に日本製のデジタルカメラをぶら下げています。少なくとも、万博日本館に来る中国人に反日感情があるわけはなく、ある種の日本へのあこがれも依然存在していると思うのですが、それなのになぜ各地で反日デモがあるのでしょう。
 ある人は、「あれは本当は反日デモではない、本当は自由化を求めるなど別の目的がある。でも、そうしたデモができないので、若者の鬱積のはけ口、労働者の貧富の差への怨嗟の表れとして反日が利用されているだけ」と言います。確かに、そういう部分はあるのでしょうが、表面的には日本を攻撃対象にしているので、日本人としては気分のいいものではないですね。
 中国ももういい加減に、言論の自由というものを真剣に考えるべきです。自由な言論を許さないのはいかにも自信のなさの表れで、経済力世界第二位を達成した共産党にしては情けない話です。