つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ロシアとは提携強めるべきだ

 安倍首相がロシアを訪問し、プーチン大統領との間で共同声明を出し、北方領土問題について解決する方向性を示しました。いいことだと思います。少なくとも、今のロシアは我が国に対し、新たに侵略するような態度を見せていません。ですから、懸案の北方4島の問題さえ解決すれば、友好的に付き合っていけると小生は思っています。
 前大統領のメドベージェフは再三4島に足を踏み入れるなど外交音痴でしたが、プーチンはなかなかの切れ者、北東アジアの国際情勢がよく分かっています。ロシアは今、最大の脅威が中国にあることを知っています。何しろ陸続きですから、圧力をもろに感じるのでしょうね。
 シベリア地方は今、ロシア人人口が減少、その分を中国人が埋めるべく流入しています。そうしてシベリア在住中国人が多くなれば、中国の共産党政府はある日突然、「シベリアを返せ」となるかも知れません。というのは、清朝時代はもともとシベリアに中国人が住んでいたのだが、帝政ロシアとの度重なる「不平等条約」で領土を削られたとの認識を持っているからです。
 小生は、3年ほど前に中国ロシア国境の黒竜江省黒河というところを訪れた際、その郊外にあるアイグン条約記念館にも案内されました。その記念館では、シベリア地方に「平和裏に」暮らしていた中国人がいかにロシア側に抑圧され、黒竜江アムール川)の南岸に追いやられたかがこと細かく書かれていました。そういう被害者意識がある限り、再びシベリアの回復を言ってこないとは限りません。
 ロシア側は、昨今の軍事力膨張を見るにつけ、そういう中国の拡張姿勢を恐れています。ウラジオストックなどがある沿海州に対し、中国側がいつまた「返せ」と言ってくるかを心配しています。であれば、ロシアにとって同じ中国の脅威にさらされている日本とは提携しやすいのです。尖閣諸島侵攻の脅威にさらされている日本も真剣にロシア側の熱意にこたえていかなければならないでしょう。
 ということは、北方4島はほどほどで早く手を打つことです。再三このブログでも書いているので、繰り返しになりますが、最初から「4島返せ」と要求してその通りになったらロシアのメンツは丸つぶれでしょう。ロシア側が最初から平和条約締結の”えさ”にしている歯舞・色丹の返還だけでは駄目ですが、それ以上であるならば、ほどほどでいいのではありませんか。尖閣問題に集中するためにも、、。
 下の写真は、新潟県村上市にある鮭専門店の店内につるされていた干し鮭。GW前半は新潟を旅行しました。